家でも外でも常にネットをしていたい人に!
スマホや携帯ゲーム機、タブレットやノートパソコンなど、ネットにつながるデジタル機器が最近増えており、普段から複数のガジェットを持ち歩いている人も多いだろう。しかし、困るのが回線の問題。スマホのテザリングは対応していない機種も多く、3G回線をいくつも契約するのも負担が大きい。Wi-Fiスポットはどこにでもあるとは限らない。
こんな悩みを解決し、回線を一本化するためにオススメしたいのがモバイルルーターだ。
そもそもモバイルルーターとは何か? バッテリーを内蔵していて単体で動作し、無線LAN機器をインターネットに接続できる携帯型のルーターである。これを持っていれば、データ通信に特化した高速で割安なモバイル回線を使って、出先で無線LAN対応機器をインターネットにつなぐことができる。
とは言っても、モバイルルーターに対して端末がひとつだけではあまり意味がない。モバイルルーターが威力を発揮するのは2台以上の接続機器がある場合だ。たとえばノートパソコンと携帯ゲーム機を持ち運ぶ場合や、スマホとタブレットを持っていく場合など、組み合わせは人それぞれだが、モバイルルーターを使えば接続機器が増えても回線契約は1本で済む。
本特集の1回目は、現在どんなモバイルルーターが発売されているのか、各社の製品とサービスを紹介しよう。
これだけある各社の通信サービス
今回は主にドコモの「Xi」、auの「+WiMAX」、ソフトバンクの「ULTRA WiFi」、UQ WiMAXの「WiMAX Speed Wi-Fi」、イー・モバイルの「EMOBILE G4」の5つのサービスを紹介する。この5つのサービスを選んだのは、速度面で定評があるためだ。
仕様上では、ドコモのLTEによる「Xi(クロッシィ)」が下り最大75Mbpsで最速だが、この速度なのは室内のごく一部のみ。実質的には最大37.5Mbpsとなる。また、Xiのエリア自体も都市部が中心だが、Xi対応エリア外は3G(FOMA)に切り替わる。エリアの充実度では定評があるドコモのFOMA網を利用できるため、都市部と地方を頻繁に行き来するユーザーにも魅力的なサービスと言えるだろう。
平均的な実効速度でアドバンテージを持つのがUQ WiMAXだ。以前は対応エリアの狭さが弱点とされてきたが、現在では対応エリアも増えて定番的な存在になった。それでも、3Gと比べると対応エリアが狭い。その点、auの「+WiMAX」であれば、WiMAXとauの3G網を自動的に切り替えて利用するため、Xiと同様に通信速度とエリアの充実度が両立しているという点から魅力的なサービスである。
一時期、速度面で他のサービスと比べてやや見劣りしていたが、「DC-HSDPA」の採用で魅力がグッと増したのが、イー・モバイルだ。下り最大42Mbpsのサービスは「EMOBILE G4」の名称を用いている。まずまず広い対応エリアとバランスのいい価格設定が魅力で、使い勝手はかなりいい。
イー・モバイル同様、3Gをベースにした技術を利用しているのがソフトバンクの「ULTRA WiFi」。こちらも「DC-HSDPA」および「HSPA+」を使ったサービスで、速度は下り最大42Mbps。まだサービスインしてさほど時間が経っていないこともあり、ソフトバンク独自のネットワークはややエリアが狭いのだが、イー・モバイル網による「データし放題対応サブエリア」も同時に使えるので、エリア的には他社と遜色がない。
次のページからは、上記の5キャリアからリリースされている端末の紹介をしていく。2回目はこれらの端末を使ったベンチマークテスト、そして3回目は各社のサービスの詳細と料金プランから、モバイルルーターの選び方を解説する予定だ。

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