APUはクラウド・コンピューティング向け?
――最近ではARMやインテルのAtom、あるいはAMDのBobcatを使った「High Density Computing」(高集積コンピューティング)というトレンドがありますね。
フリー「あくまでも高集積であって、高性能ではない。もちろん低消費電力かつ低パフォーマンスでよければ、ARMやAtom、あるいはPowerPCなんかを使って作ることができる。もちろんARMやAtomの性能は上がる方向にあるし、これらの製品もECCメモリーや64bitアドレスといった機能を搭載しつつある」
「ただその一方で、従来の製品はどんどん消費電力を下げる方向に進んでいる。おそらく、こうした従来の製品とHigh Density Computingは、別の方向に進化してゆくと思う」
――このHigh Densityのエリアは、ちょうどAPUに適したものになるように思いますが。
フリー「そのとおりだ。我々はAPUを、例えばクラウド・コンピューティングなどに適したものだと考えている」
――それはつまり、クラウド向けにはAPUが、Bulldozerよりもいいソリューションになるという意味ですか?
フリー「そうではない。クラウド・コンピューティングの中には低消費電力が必要で、かつGPU能力を必要とするタイプのものもある。だからクラウドのマーケットが広がれば、こうした製品が求められる可能性が広がるということだ。今のところは非常に小さいがね」
――今後は拡大する?
フリー「拡大する“可能性”がある。いや実際、未来を予測するのは難しいんだ。未来が正確に予測できるんだったら、私は今頃株価が急騰する株買って大儲けしてるよ(笑)」
――話をBulldozerに戻しましょう。私もBulldozerベースのデスクトップ製品を評価しましたが、デスクトップ市場という観点で言えば、現在のBulldozerベースの製品は、パフォーマンスと消費電力の両面でいい製品とは言いにくいですね。
フリー「ワークロードがデスクトップとサーバーではまったく違うから、それがサーバーにそのまま当てはまるわけではない」
――ではBulldozerがどうサーバーに適しているかを、説明していただけますか?
フリー「例えば性能を考えてみよう。性能には二種類の考え方がある。スピードとスループットだ。デスクトップ向けの場合、重要なのはスピードだ。しかしサーバーの場合、我々はスループットが重要だと考える。スループットこそがBulldozerのアーキテクチャーの目的だった。つまりどれだけの数のコアが、どれだけの数のスレッドを同時に扱えるかという問題だ」
「数多くあるデスクトップ向けのベンチマークは、大体がひとつのスレッドで実行されて、それは動作周波数で性能が決まる。話を難しくしているのは、Bulldozerではシングルスレッド性能が最優先事項ではないことだ。もちろんデスクトップ市場では、人々はパソコンを使う。パソコンの上で、人々は電子メールを使ったり、シングルスレッドのプログラムを使ったり、あるいはストリーミングミュージックを聞いたりする。こうしたケースでは多数のスレッドは動かないから、(2つのコアが1モジュールとなる)Bulldozerの構造は非効率である」
「これはベンチマークにも言えることだ。ベンチマークは人々がどうやってパソコンを使うかを模してテストを行なっているわけだ。Bulldozerは素晴らしい製品だが、デスクトップとして使う場合、それほどトータルとしてのワークロードが増えるわけではない。

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