高さの表現が怖すぎる!! 驚くほど鮮明な3D表示
まずは本来の役割であるゲームをプレイしてみよう。PS3のゲーム画面はきわめて高解像な印象で、画面に表示される得点表示のフォントまですっきりと再現される。ただし、動画応答性については、スクロールする文字が少々ぼやけて見える程度の残像感はある。
極端に言えば「インベーダーゲーム」のように、黒い画面をバックに明るく光るキャラクターが素早く動くようなゲームでは残像感があるが、ポリゴンを使った最新のシューティングゲームではほとんど気にならないレベルと言える。
続いてPSPの画面を表示してみた。PSPを接続する場合、使用するケーブルはコンポーネント出力ケーブルしか使用できないので注意しよう。PSPの画面も解像感が高く鮮明な表示だ。
これを画面サイズを変更して「PSP Zoom」画面モードでズーム表示してみた。拡大表示となるので、多少エッジが粗くなり、ポリゴン数の少ないPSP用ゲームではジャギー感が目立ちやすく感じることもある。とはいうものの、ズーム表示なしでは24V型の画面ではゲーム画面はかなり小さくなってしまうので、それに比べればズーム表示があるのはやはりうれしい。
これは精細感の高さも原因のひとつのようで、悪い部分もそのままストレートに出してしまう傾向はある。このため、DVDソフトの再生はノイズ感などがそのまま出てしまうため、少々見づらくなるだろう。このあたりは、仕方のない部分だろう。
本命である3D表示は、これがかなりのもので、尋常でない立体感が味わえた。試しにプレイしたゲームは、まさに映画を見ているような感覚で手に汗握るアクションが連続するタイプで、3D映像となるとその没入感がハンパじゃない。
3D表示について解説すると、表示は4倍速表示で、3Dメガネはアクティブシャッター方式と一般的な3Dテレビと同等のものとなっている。そのため、偏向式の3Dテレビのような解像度の劣化もなく、3Dにおいても解像度の高さを存分に味わえる。
付属する3Dメガネで面白いのは、ソニー製の3Dテレビ用のものとは多少仕様が異なること。この3Dメガネはレンズの両面に偏向フィルターを備えている(ソニー製3Dテレビのメガネは片面のみ)。このため、首を傾けても映像の色が変化したり、3D感が失われてしまうことがない。
ベッドに寝そべってプレイするのは無理だが、身体を動かしながらゲームをするタイプの筆者でも、身体や頭の動きで3D映像が乱れてしまうことはない。ゲーム用として考えるならば、これは正しい仕様変更だと思う。
一方で、デメリットは2つ。ひとつは映像が暗くなることで、もうひとつは蛍光灯がチラついて見えるフリッカーが生じること。普段は偏向3D方式のテレビでゲームをプレイしている筆者には、予想以上に気になってしまった。
ただ、アクティブシャッター方式のディスプレーとして見ると、3D映像のチラつきは想像以上に少なく、目の負担もさほど感じなかった。クロストークは若干あるが、これは一般的な3Dテレビと同等と言える程度だ。
嫌な汗が出るほどのリアルさを味わえる
強烈な3D感
これらを総合すると、3Dゲームのプレイ時は部屋の電気を消した方が快適だし、没入度もさらに高まる。この点でも、ゲーム用、個人用としてかなり割り切っている。
これらの点を踏まえて3Dゲームをプレイしたときの印象を紹介すると、とにかく3D感が強烈となる。飛び出し感ではなく、奥行きの深さが段違いな印象で、これは解像度の高い映像で、奥の映像まで見通しが良いことも大きいし、チラつきが気にならないのでじっくりと映像を注視できることもあるだろう。
例えば、建物の壁やら断崖絶壁やらをとにかく登り降りをすることが多いゲームでは、降りる前には必ず下を見下ろすことになるわけだが、その奥行き感に嫌な汗が出る。3D映像は高さ感の表現に特徴があるが、それを改めて実感する。3Dゲームでそこまでリアルな高さを感じたのは、これが初めてだ。
3Dでプレイすることでさらなる没入感も味わえる。これは実に面白い。画面サイズの小ささはほとんど感じないし、部屋を暗くしたこともあって、まさに自分が主人公になったような気分でプレイできた。
ちなみに、ゲーム用ディスプレーとして気になる表示遅延だが、リズムゲームをプレイしても、遅延はほとんど感じなかった。おそらくは格闘ゲームなどでも支障はないレベルだと思われる。このあたりはさすがはPS3用の周辺機器だ。
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