より鮮明さを増した「iPhone 4S」のカメラ機能
速度に続いて比較したのがカメラの性能だ。ロックした状態などからカメラが実際に使えるようになるまでの時間が短くなり、撮影のスピードも圧倒的に高速化された(2枚目の撮影も速い)。
その上、画素数が800万画素に向上している。
単に画素数だけを向上させてしまうと、そのぶん各画素に届く光が少なくなり写真が暗くなってしまうのだが、性能をいじっても、“基本の体験”を変えないのがアップル流のアプローチだ。
アップルは、より明るさに敏感なセンサーと、より明るいレンズ、そしてiOS 5側の画像処理機能の組み合わせで、この問題を解決した。
ちなみに、画素数がアップすれば、当然ながら写真画像1枚当たりのファイルサイズも大きくなり、アルバムでの表示や写真をめくる速度も遅くなるはずだ。しかしiPhone 4Sでは、CPUおよびグラフィックス性能の向上のおかげで、そのようなことをまったく感じさせない。
性能的にはおそらく余力が出ているくらいだろうが、必要以上に高速化することもなく、iPhoneで得られるユーザーの体験、感触をほぼ同じに保っている(これは、2台のiPhoneを並べて、それぞれ指で同時に写真をめくると、まったく同じ速度で反応することからも分かる)。
iPhone 4Sでは、新たに顔認識の機能も搭載され、グループ写真などでも顔がピンぼけになることを防いでくれる。
日常のスナップ写真から親しい人達との思い出の記録まで、iPhone 4Sはそつなくこなしてくれるカメラに育っている。
写真を撮るのは好きだが、カメラを持ち歩くのは面倒という人なら、ズーム機能こそないものの、画素数アップを活かしてデジタルズームを活用してみるといいだろう。そこまで画質にうるさくない一般のコンシューマーであれば、ほぼ間違いなく満足できるはずだ。
また、iPhone 4Sで向上したのは、静止画の撮影機能だけではない。
動画の撮影においても、解像度が従来の720pから1080pに大幅に向上し、内蔵のジャイロセンサーを使った手ぶれ補正がかかるようになったのだ。実際に歩きながら撮影してみると、これがなかなか本格的でいい感じなのだ。
