本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
期待の音声認識機能「Siri」(ベータ)
日本時間の5日未明、iOSの音声認識機能が発表された。その名は「Siri」(ベータ)、日本語風に発音すると人目(人耳?)をはばかる印象だが、前回筆者が予想したとおりの機能だった(関連記事)。そして「Let's Talk iPhone」というイベントの名称……それが「talk about」ではなく「talk to」だったことも分かった。イベントの終盤で紹介されたことにしても、デモにかけた時間にしても、「iPhone 4S」と同等、むしろそれ以上に(アップルにとって)重要かつ力の入った新機能だということを裏付けている。
iPhone 4Sの実機を入手できない現状では、詳細は分からないが、イベント中の発言をつぶさに検証すると、Siriに関するいろいろなことが分かってくる。自分の目で確認したい向きには、アップルが公開中のムービーを参照いただきたい。
|
|||
Apple Keynotes HD(CEO ティム・クック氏基調講演集) | |||
---|---|---|---|
作者 | Apple | 価格 | 無料 |
ファイル容量 | ― | カテゴリ | Techニュース (ポッドキャスト) |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換、Mac、PC |
対応OS | iOS/Mac OS X/Windows |
「音声コントロール」を置き換える
デモでは、ホームボタンを1〜2秒ほど押すことでSiriを起動していた。この事実から、SiriがiOS 4の「音声コントロール」を置き換える機能であることが分かる。
可能な処理内容としては、音楽の再生やリマインダーの作成、iMessageへの応答や返信、アラームの設定、株価や為替レートの確認、ウェブやWikipediaの検索などが挙げられ、各種の操作が口頭で行なえる。iOSの開発を統括するスコット・フォーストール(Scott Forstall)氏は、語順や言い回しを変えて同じ処理を行なうデモを披露していることから、そのような柔軟性に欠ける「音声コントロール」とは実装が異なる可能性は高い。
第一、「音声コントロール」はインターネットに接続できない状態でも利用できる。後述するが、これはSiriとは明らかに異なる実装であることを意味している。
この連載の記事
-
第187回
iPhone
NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの -
第186回
iPhone
Appleと「4K HDR」 - iOS 11で写真/動画を変える「HEIF」と「HEVC」 -
第185回
iPhone
iPhone 7搭載の「A10 Fusion」「W1」は何を変えるか -
第184回
iPhone
オープンソース化された「PowerShell」をMacで使う -
第183回
iPhone
アップル製デバイス連携の鍵、「Continuity」とは? -
第182回
iPhone
DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2) -
第181回
iPhone
WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1) -
第180回
iPhone
WWDC直前、買い替え前にマイMacのココをチェック -
第179回
iPhone
私がiTunesを使わなくなった5つの理由 -
第178回
iPhone
今あえてiPhone「Live Photos」を知る -
第177回
iPhone
「Windows Subsystem for Linux」はOS Xのライバルとなるか? - この連載の一覧へ