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Apple Geeks 第62回

Googleキラー、WolframAlphaが支えるiPhone 4S「Siri」

2011年11月11日 12時00分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

アップルと浅からぬ縁、
ナレッジエンジン「WolframAlpha」

 「WolframAlpha」をご存知だろうか? Googleキラーと呼ばれることもある、統計データなど定量的情報をもとに回答する“ナレッジエンジン”とでも呼ぶべきウェブサービスだ。開発の中心人物は、数式処理システム「Mathematica」(マセマティカ)で名を馳せるWolfram ResearchのCEO、スティーブン・ウルフラム(Stephen Wolfram)氏。彼が手がけたサービスなだけに、その機能には目を見張るものがある。

ナレッジエンジン「WolframAlpha」

 使い方は簡単。Safariなど適当なブラウザーでウェブサイトにアクセスし、知りたい情報を簡潔な表現で入力すればいい(日本語は未サポート)。カバーされる領域は広く、数式や化学式、天文学や地学、さらには天気や金融情報まで多岐にわたる。どのような言葉を入力すればいいか、例も豊富に示されているので実際に試してほしい。

使い方は、知りたい情報を簡潔な表現で入力するだけ

 このWolframAlpha、iPhone 4S/iOS 5が搭載する音声アシスタント機能「Siri」にサポートされている。iPhone 4Sに「GDP of Japan」と話しかければ、日本の国内総生産がグラフとともに表示される。あるいは、「population of Edo period」といえば、江戸時代の日本の人口を当時の世界の人口マップとともに示といった具合だ。Siriの賢さは、WolframAlphaがその一部を担っているといっても差し支えないだろう。

NeXTとともに

 話はそれるが、ウルフラム氏とアップルは浅からぬ縁がある。当初「Omega」という名称だったMathematicaは、高等教育機関向けに売り込むべく準備を重ねていたNeXT Computerにバンドルされることになったが、故スティーブ・ジョブズ氏は「名前がダサい」と一蹴。ウルフラム氏が用意したほかの命名候補にも興味を示さず、後日「Mathematicaにしろ」と連絡してきたそうだ。この件は、ウルフラム氏のブログに掲載された追悼文に詳しいので、興味があれば一読してほしい。

スティーブン・ウルフラム氏のブログでは、NeXT時代のスティーブ・ジョブズ氏の名刺を見ることができる。「Mathematica」の名付けの親は、ジョブズ氏だった!?

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