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Lenovo Ideaシリーズ大研究 第74回

IdeaPad S205が搭載する FusionAPUの実力をチェック!

2011年08月10日 11時00分更新

文● エースラッシュ

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Fusion APUを搭載したS205は、処理が比較的重い、ハイビジョン動画なども快適に扱える。レビューの第2回では、ベンチマークテストでS205がどれだけの性能を持つのか、検証してみることにしよう。

一般的な利用には十分な性能、3D性能も予想以上に優れる

 Windows7を搭載するパソコンで、共通の性能指標となるのが「Windowsエクスペリエンス インデックス」だ。「IdeaPad S205」では、OSとして「Windows7 Home Premium(64bit)」が初期導入されている。

Windowsエクスペリエンス インデックス

 テストを実行してみると、IdeaPad S205の基本スコアは「3.8」という結果になった。Windowsエクスペリエンス インデックスは一番成績の悪かった項目の数値が基本スコアとなるが、これはプロセッサのスコアによるものだ。インテルのAtomに対抗するクラスとしては、優秀な結果といえる。また「メモリ」や「ゲーム用グラフィックス」の値が高いのも見逃せない。

 これだけのスコアが出せるのであれば、一世代前のCore iシリーズを搭載したノートPCにも遜色ない性能といえる。もちろん、凌駕するという訳ではないが、価格差を考えれば良好な性能だ。

 ここでIdeaPad S205が搭載するCPU「E-350」について簡単に紹介しておこう。AMD製で「FusionAPU」とも呼ばれる。最近のトレンドであるCPUとビデオチップを一体化したものである。

 つまり、「Fusion(融合)」した「APU(Accelerated Processing Unit)」ということだ。CPUに「AMD Radeon HD 6310」というグラフィックス機能を内蔵している。

 従来のPCではCPUとは別に、グラフィックス機能を担当するビデオチップが搭載されていた。これはディスクリートなどと呼ばれる独立したチップの場合もあるし、チップセットと呼ばれるメモリーや周辺機器をコントロールするチップに内蔵されている場合もあった。

 一方最近のノートPCではCPUそのものにグラフィックス機能を載せてしまうのが一般的になっている。E-350もこの流れに乗ったもので、CPUにGPUを統合した設計になっている。

 インテルでもCore i3以上の製品がCPUとグラフィックス機能を統合しているが、Atomなど安価なモバイル機器をターゲットにした製品ではまだ実現していない。これが一般的なネットブックと比較して、優秀なグラフィックス性能を見せている理由となっている。

PCMark05

3DMark06

 PCMARKや3DMARKなどのベンチマークテストを実施してみると、E-350を採用したことによる描画性能の向上が見て取れる。Atom搭載のネットブックなどと比較すれば、3D描画の性能の良さが光る。最新のスペックを要求するゲームでなければ、3Dを駆使したゲームでも十分に遊べる性能だ。

 試しに、「モンスターハンターフロンティア オンライン」のベンチマークテストである、「MHF【絆】」を実行してみた。スコアーは730以上である。もちろんここではこのゲームが快適に遊べるという意味ではなく、基本性能を計測する意味でベンチマークを活用している。1000程度のスコアがゲームを遊べるかどうかの基準になるが、ネットブックではまず不可能。その意味ではかなり健闘した結果だといえる。

独特な形状の放熱口。静粛性もかなり高いようだ

 負荷が高い処理をしているときは、当然本体の底面で発熱しているが、放熱口の静粛性は高い。冷却ファンが全力で稼働している状況でも、放熱口に耳を近づけなければ音が聞こえないレベル。よほど静かな環境でなければ、利用中に音が気になるということはなかった。

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