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米国の発表を受け、クラウド向け製品と戦略を披露

元祖ファブリック屋ブロケードが仕掛ける「クラウド対応」

2011年06月02日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月1日、ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下、ブロケード)は、先頃米国の「Brocade Tech Day Summit 2011」で発表された新製品群やビジョンを説明する発表会を行なった。発表内容はFCやEthernetスイッチの製品群に加え、新アーキテクチャ「Brocade CloudPlex」など多岐におよんだ。

SAN、LANスイッチ、オープン化の推進など盛りだくさん

 発表会において米ブロケードのダグ・イングラハム氏は、クラウドに最適化されたネットワークや新製品について説明した。まず同氏は、音楽やビデオ配信など手軽に使えるコンシューマー向けクラウドの隆盛と同じ現象がエンタープライズの領域にも起きつつあると指摘。これを下支えするクラウドのネットワークに必要な要件として、低遅延、高速、信頼性、拡張性などを挙げた。今回の新製品はこうした要件に応えるもので、SANやLANスイッチのほか、ソフトウェア、アーキテクチャなど含めた包括的な内容になる。

米ブロケード データセンター製品部門 プロダクトマネジメント担当 バイスプレジデント ダグ・イングラハム氏

 まずプライベートクラウド向けのインフラ製品として、最新16Gbps FCに対応したSANスイッチ群を発表した。新製品は、仮想シャーシ型の「Brocade DCX 8510 Backbone」、ボックス型の「Brocade 6510 Switch」、「Brocade 1860 Fabric Adaptor」、そして他社製品を含めた統合管理を行なう「Brocade Network Advisor」、そして最新の「Fabric OS 7.0」など幅広いラインナップ。低消費電力も大きな売りだという。最近は、NFSやiSCSIなどEthernet系の接続も台頭しているが、「ある調査では仮想サーバーとストレージの接続に76%がFCを使っている。これは信頼性や速度という要件を満たしているからだ」ということで、いまだにFCの需要は高いことをアピールした。

16Gbps FC対応のSANスイッチやアダプターなどの製品群

 サービスプロバイダーが展開するパブリッククラウド向けの製品についても言及された。イングラハム氏は、冒頭に述べたビデオや音楽などのインターネットトラフィックが増加したものの、通過するトラフィックに関しては課金ができないというサービスプロバイダーの課題を指摘。新しい収入源を得たり、コスト構造を根本的な改革を行なう必要性を訴えた。こうしたサービスプロバイダ向けの製品としては、すでにシャーシ型ルーター「MLXシリーズ」向けの100GbEモジュールや高密度な10GbEモジュール、プロバイダーエッジ向けの「NetIron CER」、コンパクトルーター「Brocade 6910」などが披露された。

サービスプロバイダ向けのLANスイッチやルーター製品

 また、ハイブリッドクラウドという分野では、ネットワーク制御の自動化を目指す「OpenFlow」や、オープンソースのクラウド基盤である「OpenStack」へのいち早い対応を表明したことをアピールした。

 そして、同氏が最後に発表したのが「CloudPlex」という新アーキテクチャだ。これはクラウドインフラを構築するにあたって、サーバーやストレージ、ハイパーバイザーなどにさまざまなベンダーの製品を利用できるという概念。真新しいものでないが、固定されたベンダーの製品を用いてクラウド製品を展開しているシスコやEMC、VMware連合の「VBlock」へのアンチテーゼといえる。

「ファブリックなんとか」とは大きく違う

 後半は日本法人代表取締役社長の青葉雅和氏は、国内展開や最新動向について説明した。青葉氏は「多くのお客様からネットワークがボトルネックになっていると言われている」と述べ、クラウドにおいてネットワーク分野がレガシーやボトルネックになっている現状を説明した。これを刷新するためのデータセンターファブリックを実現する戦略的なデータセンタースイッチ「BrocadeVDX 6720」を昨年発表した。いよいよ2011年の1月に出荷を開始したBrocade VDX 6720だが、5月にアイネットでの導入。そして、発表会同日に、さくらインターネットでのクラウドサービスでの導入も発表された。

ブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長 青葉雅和氏

 データセンターファブリックというと、昨今は多くのネットワークベンダーが普通に使っている用語だが、青葉氏は「私たちはもともと15年以上SANの分野でファブリックの概念を育ててきた。そして、このSANで培ってきた性能、信頼性、拡張性、柔軟性、管理などのファブリック技術をEthernetに持ち込んだ。その意味で、他社とは大きく異なる」(青葉氏)ということで、先駆者としての自負をのぞかせた。

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