10月3日、NTTデータは次世代ネットワーク技術「OpenFlow」を活用したクラウド環境構築の検証実験に成功したと発表した。
これは、ネットワーク機器ベンダーおよび仮想化ソフトウェアベンダー5社の協力で行なったもの。これまで実現が難しかった、マルチベンダー環境におけるクラウド環境全体の運用自動化が目的だ。
実験は、2011年7月~9月の3か月間、NTTデータで開発中のOpenFlowコントローラーに加えて、アリスタネットワークス、エクストリーム ネットワークス、NEC、ブロケードの4社のOpenFlowスイッチ(NEC以外の3社はプロトタイプ)、およびシトリックスの「XenServer 5.6 Service Pack 2」を使用し、検証環境をNTTデータ本社ビル内のクラウドデータセンター検証設備に構築して行なった。
ここでは、
- マルチテナント環境での仮想ネットワークの自動構築
- 仮想サーバーのライブマイグレーション時の自動経路変更
- ネットワーク機器保守時の自動迂回制御
の調査を行ない、OpenFlowによる集中制御型ネットワークアーキテクチャが、マルチベンダー環境で正常に動作することを確認できたという。
さらに、OpenFlowがサーバーの仮想化技術と連携して動作することを確認できたことで、サーバーとネットワークの仮想化環境の統合運用管理が可能となり、OpenFlowが今後のクラウドの基盤として十分に活用できることを確認。ユーザーは、OpenFlowに対応したネットワーク機器であれば、特定のベンダーに縛られず、最適なネットワーク機器を組み合わせてクラウド環境を構築し、サーバーだけでなく、ネットワークも含めた運用の自動化を実現できるという。
NTTデータは、OpenFlowコントローラーを2012年4月から販売開始する予定。同時に、OpenFlowを活用したデータセンターネットワークの構築・運用サービスの提供開始を予定しており、運用コスト50%削減を目指す。
