4月21日、デルはSandy Bridge世代のXeonプロセッサーを搭載したDell PowerEdgeのエントリーサーバー2機種を発表した。発表会では、省電力への取り組みやiDRAC Enterpriseを用いた遠隔管理のデモ、新プロセッサーのXeon E3-1200の解説も行なわれた。
新Xeonや大容量メモリ搭載で高い性能を実現
新モデルの「PowerEdge T110II」(以下、T110II)と「PowerEdge R210II」(以下、R110II」は、同社のサーバー製品の中でもっともエントリにあたる製品で、型番でわかるとおり、PowerEdge T110/R210の後継にあたる。ただ、新XeonではないCeleronやPentiumを採用する既存の機種も当分併売するという。
製品のポイントは、Sandy Bridgeアーキテクチャ世代の新Xeonプロセッサーの採用だ。両製品とも、シングルソケット対応のインテル Xeonプロセッサー E3-1200製品ファミリー(以下、E3-1200)を搭載し、約25%の高い性能向上を実現する。また、両モデルとも最大搭載メモリ容量を従来の2倍に拡張。スロット数は4枚と変わらないが、メモリ単体の容量自体を倍にすることで、最大32GBの搭載が可能になった。ストレージに関しては、新たに2.5インチHDDとSSDをサポートし、容量や性能も拡張した。
T110IIは、「デスクトップPC並みの価格でサーバーの信頼性」を謳うタワー型製品で、Xeonプロセッサー E3-1200/Core i3-2100を搭載する。3.5インチHDDが4台、2.5インチHDDであれば6台搭載が可能になっている。SMBや部門でのファイル/プリントサーバーやWebサーバーなど軽量な業務サーバー用途が想定されている。価格は8万7150円からとなっている。
R210IIは、Xeonプロセッサー E3-1200/Core i3-2100を搭載するラックマウント型のサーバー。奥行きが40cm未満と狭く、3.5インチHDDが2台だけではなく、2.5インチHDDを4台搭載できる。「RAID5やRAID10も利用でき、データ保護にもきちんと対応できる」という。価格は11万3610円からとなっている。
電力消費の抑制や適正化についても説明が行なわれた。今回のT110II、R210IIでは省電力プロセッサー採用のほか、ファン制御の改良、ローボルテージメモリの標準採用、高効率電源の採用などを進めているという。こうした節電対策などのポイントに関しては、同社サイトのテックセンターにて逐一アップしているという。さらに、遠隔地からのサーバー管理の重要性に関しても説明の時間が割かれ、OS非依存で直感的な操作性を持つiDRAC Etneterpriseの特徴、リモートからのLCD点滅やSDカードを用いたOSブート例なども紹介されていた。
また、発表会ではインテル 営業本部 市場開発マネージャー 矢嶋哲郎氏が、新XeonプロセッサーであるE3-1200製品ファミリについて解説した。矢嶋氏は「より多くのキャッシュにより、サーバーの応答性を高めます。HyperーThreadingによる並列動作が可能になっている」などの特徴を持つと説明。また、R210 Ⅱで採用されている低消費電力版による省電力効果、AES-NIの暗号化機能を活用したセキュリティもアピールした。デスクトップ向けのCPUを使っているサーバーをリプレース・統合することで、高いパフォーマンスが得られるという。
