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一朝一夕ではできなかった、シャープの電子書籍事業

ザウルスの魂を受け継ぐ「GALAPAGOS」──緊急座談会

2010年12月20日 11時00分更新

文● 廣田稔、写真●篠原孝志(パシャ)

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そして、PDAで読むという時代が始まった

── もちろんザウルスも含めて、みなさんシャープ製のPDAは数多く使われてきたんですよね?

遠藤 初めて世に出された国産の電子辞書「IQ-3000」は今でも持ってますよ。あと、電子手帳の「WiZ」シリーズは結構使い込んだ。

藤田 今日はそんなザウルスの話になるかなと思って、手持ちの端末を持ってきたんですが……。

みのたん氏のシャープ製PDAコレクション


── すごい! シャープの歴代のPDAが勢揃い。

藤田 例えば「PV-F1」は、ザウルスの元祖とも言うべき電子手帳ですね。そのあと1993年にザウルスの1号機として「PI-3000」が出た。iPhoneはボタンが1個だからシンプルという話もありますが、ザウルスも電源ボタン程度。さらに後から出た「PI-8000」はボタンすらない。画面をタッチすると電源が入るというシンプルな機種でした。

鎌田 当時PI-3000は、PV-F1に比べて価格は1/2、スピードは2倍、大きさは1/2にするという意気込みで作っていました。内部的にはマルチタスクで動いていて、かなり先進的だったんですよ。

「当時、天気や占いもダウンロードしてよく見ていました」

藤田 3代目となる「PI-5000」ではパソコン通信機能が内蔵されたので、ニフティフォーラムの投稿を読むのに使っていました。当時、PDAフォーラムの管理人もしていましたが、通勤時間とか出張の行き帰りはずっと読んでましたね。駅にあるグレ電やPHSのイヤホンジャックにつないだりしてました。

鎌田 通信ができるようになってからは、PDAで「読む」という行為が始まりましたね。当時、皆さんニフティフォーラムが情報ソースだったので、巡回のマクロを作ったりしてダウンロードして読むということをよくやられていた。

遠藤 アスキーでも1994年に、平井和正さんが書き下ろした小説をニフティなどで配信したことがあった。当時は、エディタやターミナルが電子書籍ビューワー代わりだったんですよ。2000年を過ぎてからの話ですが、アスキーも協力していたザウルスのMOREソフト(アドインソフト)コンテストで、「TTVブックリーダー」という電子書籍ビューワーが入賞したことを覚えています。

鎌田 ザウルスは、OSを独自のものからLinuxに切り替えたことで、開発者の数が増えたんですよね。「TTVブックリーダー」は一見、地味なんですが、縦書きで読めるのがポイントでした。やっぱり縦にすると書籍への没頭の仕方が違うんでしょうね。括弧で文字を書くとルビに変換されますし、フォントサイズも変えられた。ビューアーを変えるだけで、読後感が全然違うと思うんです。

藤田 X68000時代にフロッピーディスクを媒体にした「電脳倶楽部」という企画がありました。みんなで著作権の期限が切れた古典を入力しようという文化が芽生えてきて、それが「青空文庫」の生まれるもとになったとも。そうした潮流の終着点がGALAPAGOSってことなのかもしれません。

遠藤 ザウルスと言うと「背広族」が使うというイメージがありますよね。ちょっと文系っぽい。カリカリのエンジニアだけじゃなくて、営業の人とかが客待ちの時間に前回訪問したメモを見たりとか、そういう使い方が想像される。

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