画期的なマンガ作成ソフトとして、ASCII.jpでも(担当編集者Mと編集長Mが)ノリノリでご紹介した「コミPo!」(9700円、関連記事)。来週(12月15日)発売ということで楽しみにしている方も多いだろう。
この記事掲載の翌日、記事を読んだという別の編集者Hから突然電話があった。彼曰く「コミPo!の(テンプレートの)背景画、あんまり絵っぽくないですよね? で、閃いちゃったんです! アレを組み合わせれば完璧じゃないかと!!」
その“アレ”というのが、カシオが11月26日に発売したコンパクトデジカメ「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR10」(実売価格4万円前後、関連記事)である。
絵画風の写真が撮れる「HDRアート」
EX-ZR10は、撮像素子に裏面照射型CMOSセンサー(有効1210万画素)を搭載したデジカメで、従来の「HIGH SPEED EXILIM EX-FC160S」(1010万画素)から2割程度、画素数がアップしている。
同社のEXILIMシリーズ全体では、有効1410万画素CCDセンサーを搭載した「EX-H20G」があるので、EX-ZR10は最高解像度を備えたモデルというわけではない。しかし、H20GがCCDなのに対し、EX-ZR10を含むHIGH SPEED EXILIMは裏面照射型CMOSセンサーを採用するので、高速撮影や高感度に対する優位性がある。
その一例が「HS夜景」や「HSライティング」といった、高速連写した画像を合成する機能である。これらは従来機から搭載されていたが、さらにEX-ZR10は、2つのCPUと画像処理回路を搭載した「EXILIMエンジンHS」により、画像処理性能がより高速化されている。
この高速処理を最大限に生かした機能として、「HDR」(ハイダイナミックレンジ)が新たに搭載されている。HDRは1回のシャッターで露出の異なる複数枚の画像を撮影し、これらを合成してダイナミックレンジを広げる機能。従来のHSライティングよりも広い階調幅をカバーできるようになり、人の目で見る映像に近い画像が撮影できるようになったのだ。
そして、このHDRを利用した面白い画像処理機能が「HDRアート」モードである。HDRアートでは、複数枚の画像の合成に加えて、微妙な彩度やコントラストの調整をすることで、階調だけでなく色調にも大幅な変更を加え、絵画風の画像を作り出す。
しかも、HDRアートモードにしておけば、すべての処理がシャッターを1回押すだけで行なわれる。処理には3~4秒ほどかかるため、その間カメラは反応しなくなってしまうのだが、待った後に出てくる画像はかなり面白い物になっている。