11月30日、エムオーテックスとマイクロソフトは、クラウドサービスの提供などに関する協業を発表した。「LanScope Cat」のクラウド版「LanScope Cloud Cat」のWindows Azure Platform上への構築を行なう
エムオーテックスはネットワークセキュリティー管理ソフト「LanScope Cat」シリーズを、マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure Platform」に移植した「LanScope Cloud Cat」を開発し、中小企業向けに2011年1月下旬より提供する。また、大規模向けには、企業の生産性向上やグリーンIT向け機能を搭載したクラウド製品「LanScope MMS(開発コードネーム)」を2011年春に発売するという。
これに対しマイクロソフトは、エムオーテックスの営業担当者や技術者に対する無償トレーニング、マイクロソフト大手町テクノロジーセンターの施設によるCloud Catの負荷検証、マイクロソフトのパートナー紹介サイト「Microsoft Pinpoint」でのエムオーテックス製品の紹介などを行なう。
LanScope Cloud Catは、現行のLanScope Catが持つ資産管理やセキュリティ、業務改善などの機能を搭載。LanScope Catでは社内に設置が必要な管理サーバーが、LanScope Cloud Catでは不要となり、インターネット上から管理モジュールをダウンロードするだけで利用が可能となる。価格は現在調整中だが、先行製品の価格調査を行なっているため、それに対抗できる価格設定を行なうという。
エムオーテックスでは、オンプレミス版の最新製品LanScope Cat6において、ユーザーインターフェイスはSilverlight、開発ツールにはVisual Studio、開発フレームには.NET Frameworkを使っている。しかも、管理サーバーはWindows Server上で動作し、データベースにはオラクル製品と並んでSQL Serverを採用している。そのためLanScope Cloud Catでは、OSがWindows Azure、データベースがSQL Azureに変わるだけで、それ以外は既存の環境がそのまま使えるという。
なおマイクロソフトでは、中大規模向けの管理スイート「System Center」、クラウド利用の小中規模向け管理サービス「Windows Intune」を持っている。マイクロソフトによると、他社の管理ツールは、これら自社の管理製品を補完するものであり、競合との想定はしていないとしている。