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The Microsoft Conference+Expo Tokyo基調講演レポート

クラウドに真剣!攻めに回ったマイクロソフトの強さを見た

2010年11月26日 09時00分更新

文● 渡邉利和

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11月25~26日の2日間、マイクロソフトは“The Microsoft Conference+Expo Tokyo”を開催中だ。東京を皮切りに全国7都市で開催される予定のこのイベントは「マイクロソフトのクラウド ソリューションを具現化する」という位置づけで、文字通りクラウド一色の内容となっていた。

オンプレミスとクラウドの融合を訴える

同社の代表執行役社長の樋口 泰行氏

 初日午前の基調講演に登壇した同社の代表執行役社長の樋口 泰行氏は、さまざまなデモや多数のゲストを交えて約2時間の講演を行ない、クラウドに関する同社の取り組みについて熱弁をふるった。同氏はクラウドに関して、「マイクロソフトはクラウドに大きくシフトしている。『クラウドという新しい流れ、新しいトレンド、新しいお客様のニーズに真剣にお応えしよう』、その真剣さをお伝えするのが、一番の目的」と、今回のイベントの趣旨を明らかにしている。

 同氏がキーメッセージとして紹介したのは、“Cloud Power 未来へと続く新しいチカラ”というもの。同氏はリーマンショックを経た企業各社がより筋肉質な体制へと変化しつつあることに触れ、「守りのリストラから攻めのIT投資へ」という流れが顕著になりつつあることを紹介、企業の業績回復には内需頼みから国際市場に打って出る気概が必要だとした上で「グローバルに通用するコミュニケーションシステムやIT基盤が必要」だとし、その際に「クラウドがブレークのための一材料となる」とつなげて、クラウドの重要性を強調した。また、同氏は同社の姿勢が一貫して「ソフトウェアプラットフォームの提供」であるとし、パートナー各社との協力の下にクラウドへの取り組みを推進していくとしている。

 デモでは、まず同社の最大の強みであるOffice製品群とのシームレスな連携がクラウドサービスにおいても実現されていることがアピールされた。競合サービスとしてGoogle Appsが取り上げられ、表示や操作の互換性が低いことを示す一方で、同社が提供する「Microsoft Office 365」ではWebブラウザ上でオンプレミスのMicrosoft Officeと同一の操作感が実現されていることや、複数ユーザー間でのファイルの共有やドキュメントの共同編集など、クラウドならではの新しい機能が加わっていることも紹介された。

Microsoft Dynamics CRMやHyper-V Cloudなど

2011年1月にスタートするMicrosoft Dynamics CRM Online

 基調講演中で、新たな発表も行なわれた。まず発表されたのは「Microsoft Dynamics CRM Online」で、2011年1月から日本国内でのサービス提供が開始される。なお、本バージョンに関してはオンプレミス型のソフトウェアよりもクラウド型サービスのほうが先行してリリースされる予定となっており、これはマイクロソフトとして初の試みだという。クラウド型のCRMとしては、セールスフォース・ドットコムが先行している状況だが、Dynamics CRMではセールスフォース・ドットコムに対応したデータ変換機能を用意しており、セールスフォース・ドットコムのユーザーが容易に低コストで移行できるよう環境を整えている。実際に移行を果たしたユーザー企業の声もビデオで紹介され、「Officeとの親和性が高く使いやすいCRMを今までより低コストで利用できるようになった」といった趣旨の発言が紹介された。

パートナーにあわせたHyper-V Cloudの提案

 続いて「Hyper-V Cloud」への取り組みも発表された。これは、プライベートクラウド導入支援プログラム」を同社がパートナーと共同で提供するというもの。検証済みハードウェアの提供プログラムとなる“Hyper-V Cloud Fast Track”では、デル、NEC、日本IBM、ヒューレット・パッカード(HP)、日立製作所、富士通の6社からハードウェアとソフトウェアの組み合わせ検証を完了したリファレンスアーキテクチャが提供される。

 クラウドへの取り組みに関しては同社は追う立場だという意識からか、競合を名指しで挙げて「こっちのほうがより優れている」という直接的なメッセージが多かったという印象だ。また、PCにローカルインストールされているMicrosoft Officeとの親和性を前面に打ち出す点も、同社ならではの強みのアピールとしてはきわめてわかりやすい。クラウドに対する取り組みが真剣なものであるということと同時に、同社が「攻めに回ったときに特に力を発揮する企業文化」を維持していることも印象に残った講演だった。

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