The Microsoft Conference+Expo Tokyoレポート
実はあたたかい?法令遵守だけでないコンプライアンスを知ろう!
2010年11月26日 09時00分更新
11月25~26日に開催の「The Microsoft Conference+Expo Tokyo」では、マイクロソフト社長の樋口泰行氏による基調講演を皮切りに、60を超えるカンファレンスが行なわれる。そのうちの1つ、日本でも重要視され始めている「ソフトウェアライセンス管理(Software Asset Management:SAM)」に関する講演を紹介しよう。
コンプライアンスの解釈は百社百様
でも根本は同じ
「中堅中小企業向け クラウド時代のソフトウェア資産管理~保有する時代と利用する時代の狭間~」と題されたこの講演は、前半がコンプライアンス(法令遵守)に関する解説、後半がマイクロソフトのソフトウェアライセンスとSAMの解説という二段構えで行なわれた。
コンプライアンスの解説を行なったのは、プリンシプル・コンサルティング代表取締役の千田直人氏だ。「商売の邪魔、やたら七面倒くさい」といったマイナスのイメージが強いコンプライアンスだが、千田氏によれば「これは悲しい誤解」。コンプライアンスは、本質を理解できれば商売の役に立つものであり、シンプルであたたかいものなのだという。
そもそもコンプライアンスは法律用語ではなく、百社あれば百通りの定義ができる。そのため、どのように捉えてもかまわない、と前置きした上で、千田氏によるコンプライアンスの考え方が紹介された。その1つめが、「株主や顧客、取引先、役員、従業員など企業のさまざまな関係者の期待に応える」だ。英語の「コンプライ(Comply)」という言葉にはもともと、「期待に応える」という意味があるため、「非常に素直な解釈といえる」という。
続いて「社会の物差しで考える」、「受け手の目線で考える」、そして最もお勧めだという「家族や知人に誇れるよい会社であり続けること」が紹介された。
ただし、これら4つの根本は同じなのだという。たとえば、いつまでもよい会社であり続けるには、いろいろな関係者の期待に応えなければならないし、それには受け手の目線を考える必要がある。そして、まともな会社、本当に世のため人のための会社になろうとすれば、できて当たり前のことだとした。
コンプライアンスについてよくある誤解、問題を起こさないための心構えが紹介され、最後に「コンプライアンスとは、当たり前のことを当たり前に行なうこと」と締めくくった。
ソフトウェアライセンスと運転免許証?
ソフトウェアライセンスとSAMについては、マイクロソフト ライセンスコンプライアンス推進本部 本部長の相田雄二氏が登壇。そもそも、ソフトウェアの「ライセンス」とは何か。これは、運転免許証(ドライバズライセンス)が、公道の上で車の運転を許可するものであるように、ソフトウェアライセンスとはソフトウェアの利用を許可するものだと解説した。
マイクロソフトのソフトウェアライセンスには、
- ライセンス
- ライセンス+ソフトウェアアシュアランス
- サブスクリプション(年額タイプ)
- クラウド/オンライン
の4つがあることを紹介。ソフトウェア資産管理の重要性を、情報セキュリティやITガバナンスなど5つのケースにおいて解説した。
その上で、ソフトウェア資産管理を行なうことで、情報漏えいへの対応によるコスト、コンプライアンス違反によって生じるコストが削減され、IT関連コストの総額はむしろ圧縮されるとした。
マイクロソフトでは、今回の「The Microsoft Conference+Expo Tokyo」に引き続き、12月より全国5都市で「Microsoft Conference ソリューション セミナー 2010」を予定している。それらのセミナーでも本講演の内容が紹介される予定となっている。どの会場も無料で参加できるので、コンプライアンスやSAMをより深く知りたいと感じた方は、参加してはいかがだろうか。