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クラウドに興味ありな開発者なら、3ステップで楽々Azureに移行 第2回

無料で試せる!

.NET on Windows Azure でクラウド・アプリケーション開発

2010年11月25日 15時00分更新

文● 飯島進仁/ふむふむソフト

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Windows Azure ロゴ

 前回の記事では、マイクロソフトのクラウドサービスである「Windows Azure(アジュール) Platform」に関して、数多くの無料セミナーやトレーニングがあることを紹介したが、今回いよいよWindows Azure、さらにマイクロソフトのリッチWebプラットフォームであるSilverlight 4を利用した開発にチャレンジしてみたい。

 この記事で紹介するのはいずれも無料の開発環境なので、興味のある方は是非実際にインストールして、マイクロソフトが提供するクラウド開発にトライみてほしい。

Windows Azure開発は「Visual Studio」と
「Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio」で

 Windows Azure開発を行なうためには、「Visual Studio 2010」(または同 2008)が必要だ。このVisual StudioにWindows Azure SDK(開発キット)を追加することでWindows Azure開発が行なえるようになる。

Windows Azure SDK

Windows Azure SDKのダウンロードサイト

 ご存じの方も多いと思うが、Visual Studioはマイクロソフトが提供する統合開発環境である。C#やVB、C++と言った多くの言語に対応し、通常のWindowsアプリケーションや、ASP.NETを利用したWebアプリケーション、Microsoft Officeのアドオンなど、Windows上で動作する多くアプリケーションを開発できるツールだ。このVisual Studioに「Windows Azure クラウドサービス開発」の機能を追加するのが、Windows Azure SDKというわけだ。

 詳しいインストール手順などについては、MSDNのWindows Azureページにある以下のページで詳しく説明されているので、本記事を通じて概要を理解されたら、ぜひ確認していただきたい。


無料で揃えるVisual Studio開発環境
「Visual Studio 2010 Express」

 Visual Studioには有料の開発環境もあるが、試用版としての無料のエディションも存在する。それが「Visual Studio 2010 Express」だ。

Microsoft Visual Studio 2010 Express

Microsoft Visual Studio 2010 Expressのダウンロードサイト

 Visual Studio 2010 Expressは上位の有料版に比べて、いくつかの機能が制限されている。また、開発言語あるいは開発プラットフォームごとに製品が分かれているため、それらが混在したプロジェクトの開発が行なえない――といった制約はあるが、無料ながら商用利用も可能な開発環境だ。Visual Studioが提供する高度な開発サポート機能は十分体験可能なので、Visual Studioを未体験の方にはオススメだ。


 今回のAzure開発では、Visual Stuido 2010 Expressの中でも、「ASP.NETによるWeb開発」を実現する「Visual Web Developer 2010 Express」(以下、Visual Web Developer)を利用する前提で進める。

 Visual Web Developerのインストールを行なうためには、マイクロソフトが提供する「Webプラットフォーム インストーラー」(通称:Web PI)を利用するのが、最も簡単な方法だろう。このWeb PIは、WindowsマシンにWebサーバーやPHPといったWeb開発に必要な機能、そしてWordPressなどのアプリケーションを簡単にインストールする仕組みだ。

 そのWeb PIがインストールするアプリケーションのひとつとして、今回利用するVisual Web Developerがインストールされるわけだ。

Webプラットフォーム インストーラー

Webプラットフォーム インストーラーのページ。左下の赤く囲んだ部分をクリックすれば、Web PIのインストーラーがダウンロードされる

 Web PIのインストールが完了すれば、後はWeb PIを実行してVisual Web Developerをインストールする。「Web プラットフォーム」というカテゴリの中に「Visual Web Developer 2010 Express」があるので、それにチェックを入れてインストールすればOKだ。

Web プラットフォーム インストーラー実行画面

Web プラットフォーム インストーラー実行画面。赤く囲んだ部分「Visual Web Developer 2010 Express」のチェックを忘れずに

 なお、インストール後30日を超えてVisual Studio 2010 Express使い続けるには、無料のユーザー登録が必要となる。実際に使ってみて使い続けるつもりがあるなら、忘れずに登録しよう。


「Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio」を
入れて、Visual Studioにクラウド開発機能を追加しよう

 無事Visual Web Developerがインストールできたら、今度はWindows Azure開発の機能を追加しよう。Visual Web Developer 2010 Expressの場合、以下のような手順で追加できる(2008の場合は、こちらのサイトを参照してほしい)。

 まずは、Visual Web Developerを起動し、「新しいプロジェクト」を作成する。するとプロジェクトのテンプレート(種類)の選択画面になるので、「Visual Basic」あるいは「Visual C#」を選択し、その中の「Cloud」を選択すると、「Windows Azure Toolsの有効化」という項目が出てくる。

Windows Azure Toolsインストール前の表示

Windows Azure Toolsインストール前の表示

 この項目を選ぶと、Windows Azure Toolsのインストール画面へのリンクが表示されるので、リンク先からダウンロードしてインストールすればOKだ。

 無事インストールが完了すれば、先ほどまで「Windows Azure Toolsの有効化」となっていた項目が「Windows Azure クラウド サービス」となる。これでWindows Azure クラウド サービスが開発可能となったわけだ。

Windows Azure Toolsインストール後

Windows Azure Toolsインストール後。Windows Azure クラウドサービスのプロジェクト作成が可能になっている

 なお、すでにVisual Studioをお使いの方は、こちらからWindows Azure ToolsをインストールすればすぐにWindows Azure開発が可能だ

『Windows Azure platform無償利用キャンペーン』

 クラウドアプリケーションの開発を検討している方にうれしいキャンペーンが、現在実施中なので、併せてここで紹介する。

 マイクロソフトがこの秋から用意している、無料登録可能な開発者・社支援プログラム「Microsoft Platform Ready」(関連記事)では、Windows Azure Platform環境を無償で利用できる「無償利用キャンペーン」を先着200社に提供している。

 本キャンペーンに申し込み後、2010年12月31日まで、すべての機能を無償で利用できるというもの。詳細は以下のキャンペーンサイトをご確認いただきたい。


 本キャンペーンの利用条件は以下の通り。

  • お申し込みに際しては、1社1名様とさせて頂きます。
  • 本キャンペーンをご利用いただく際は、クレジットカードの提示は不要です。
  • 本キャンペーンのご利用期限は、2010年12月31日までとなります。
  • 本キャンペーンは、Microsoft Platform Ready で貴社アプリケーションを「2011年6月30日までにWindows Azure Platformに対応表明済」、または「既にWindows Azure Platformに対応済み」の企業様のみを対象とします。

 (次ページ「Silverlight 4開発環境も整えてしまおう)

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