今回から各メーカーの最新テレビについて紹介していく。まずはシャープの液晶テレビ「AQUOS」を取り上げる。
同社は、今や数少ない液晶パネルを自社で開発するメーカーである。ほかの多くのメーカーは表示パネルを他社から供給を受け、自社では高画質化回路や機能開発などで商品化するところが増えており、以前ほど声高に垂直統合のメリットが喧伝されることも減ってきている。
むしろ、テレビの開発コストと表示パネルの開発コストを二重に抱え込むことによるデメリットも無視できないところだ。
だが、自社でパネルを開発するメリットも依然として存在する。それは、自社のテレビ生産に適したパネルを設計しやすく、最新の技術を投入した高性能パネルをいち早く採用できるため、他社に対して独自性をアピールしやすいという点だ。というわけで、今回は、それぞれの主なラインナップや注目のモデルの紹介だけでなく、表示パネルの独自性という側面からもテレビ製品の特徴を見ていきたい。
国内メーカーでは最大のラインナップを誇る、液晶のシャープ
現在も国内トップシェアを誇るシャープは、製品ラインナップが実に豊富だ。現在のラインナップを見ていくと、まずは表示パネルによって2つに大別される。「4原色液晶技術」搭載の「AQUOSクアトロン」と、従来からの液晶(VAパネル)搭載モデルだ。なお、同社が展開するのは液晶テレビのみとなる(プラズマテレビはない)。
シャープ「AQUOS」のラインナップ | ||||
---|---|---|---|---|
シリーズ名 | 液晶パネル | 画面サイズ | 録画機能 | 実売価格 |
LB3 | 3D対応クアトロン(フルHD) | 52V/46V | BD USB HDD |
50/42万円前後 |
LV3 | 3D対応クアトロン(フルHD) | 60V/52V/46V/40V | USB HDD | 60/45/37/26万円前後 |
LX3 | クアトロン(フルHD) | 60V/52V/46V/40V | USB HDD | 50/40/28/18万円前後 |
XF3 | クアトロン(フルHD) | 52V/46V | ―― | 30/25万円前後 |
DX3 | UV2Aパネル(32V型以外フルHD、LED) | 52V/46V/40V/32V | BD | 30/25/18/12万円前後 |
DR3 | UV2Aパネル(フルHD、LED) | 40V/32V | BD 内蔵HDD(500GB) |
25/18万円前後 |
DZ3 | UV2Aパネル(26V以外フルHD、LED) ※20V型はUV2Aパネル非採用 |
52V/46V/40V/32V/26V/20V | USB HDD | 35/27/16/14/11/9万円前後 |
AE | UV2Aパネル(フルHD、CCFL) | 52V/46V/40V | ―― | 19/14/9万円前後 |
AQUOSクアトロンはすべてLEDバックライト搭載だが、通常の液晶モデルには、ASV液晶と「UV2A技術」搭載パネルが混在し、バックライトもLEDとCCFL(冷陰極管)があるが、今後は「UV2A」パネル+LEDバックライトが主流になっていくものと思われる。また、機能的にはBD内蔵、BD+HDD内蔵、USB HDD対応と、録画可能モデルのバリエーションも多彩だ。
このなかで、今回は上位モデルのAQUOSクアトロンから3D対応の「LC-46LB3」(実売価格42万円前後)と、スタンダードモデルの「LC-40DZ3」(実売価格16万円前後)を取り上げる。
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