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NECのECO CENTERがグリーンITアワードを受賞

4000万円の「エコなサーバー」がグリーンITの顔

2008年09月30日 04時00分更新

文● 新 淳一/ASCII.jp

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 最近、すっかり耳になじんだ感のある「グリーンIT」という言葉。今年2月、IT・エレクトロニクス関連業界団体や企業がグリーンIT推進協議会という団体を立ちあげ、「グリーンITアワード」という賞を創設したことをご存じだろうか。9月25日、経済産業大臣賞をはじめとする各賞の受賞機器、ソリューション等が決定して発表された。

 グリーンITアワードには「ITの省エネ」「ITによる社会の省エネ」という2つの部門がある。32の応募があったという候補の中から選ばれた機器、ソリューションは12個ほどあるが(末尾の表参照)、注目はやっぱり「ITの省エネ」で経済産業大臣賞を獲得したNECの「ECO CENTER」だろう。

ECO CENTER
NECの「ECO CENTER」。値段は最大構成時(512コア/64サーバー)で3990万円より、国内データセンター6KW構成時(192コア/24サーバー)で1350万円より

 ECO CENTERは、最大512のCPUコア(クアッドコアCPUを2個搭載したサーバー64台)を高さ2メートルのキャビネットに実装できるという、大企業や官公庁のデータセンターでの用途に向けたサーバー製品だ。値段はおよそ4000万円! 徹底して省電力設計されていると同時に、サーバー2台をセットにした小型サーバーモジュールを専用キャビネットに収納するモジュール構造を採用。ラック型にもブレード型にも属さない、省スペース化、軽量化などの高付加価値を追求した特殊なモデルである。

 なるほど、さすがに賞を取る製品となると、構造や値段からして他と違うものになるのだなと感心する一方で、省電力化といえばブレードサーバーも得意とする話だ。極端な話、導入のしやすさを考えれば、巷のブレードサーバーが受賞してもいいのでは? といった気持ちもわき上がってくる。今回、グリーンITアワードにNECのブレード製品であるSIGMABLADEではなくECO CENTERをエントリーしたNECに、何か狙いはあったのだろうか。

 NEC広報部によると、ECO CENTERをエントリーした理由に、特に戦略的な意図はないという。ただ、ECO CENTERは、NECが2007年から掲げている省電力ITプラットフォームへの取組み「REAL IT COOL PROJECT」に基づいて製品化した象徴的な製品であることから、今回エントリーするに至ったということだった。ECO CENTERにかぎらず、ブレード数枚レベルからスモールスタートできるブレードサーバーも含め、あらゆる製品でグリーンIT化を推進しているNECの姿勢を象徴的に具現化したのがECO CENTERだったというわけだ。

 ちなみに、グリーンIT推進協議会が公開している資料には、ECO CENTERの評価のポイントとして、「低消費電力の部品選定及び電源設計、冷却を想定した配置設計などきめ細かく先端技術を導入している。特に電源設計において無駄をなくす工夫がみられる。また、仮想化技術の導入により、無駄なサーバを稼働させない点も目新しい。実績の面でも、データセンターで最も主力となる機種に、省エネ技術をふんだんに応用し、従来機種よりも約50%も消費電量を削減している感は突出感がある」と記述されている。

 あわせて、従来機とECO CENTERの消費電力を比較した図も掲載されているのだが、じつはラックマウント型のサーバーとの比較になっている。ブレードサーバーとの比較はないのかNEC広報にたずねると、すぐに出せるデータは用意していないとのこと。ECO CENTERがモジュール式の特殊な構造をとるため、ブレードのシステムと同条件で比較するのが難しいらしい。

比較図
従来のラックマウント型サーバーとECO CENTERの消費電力を比較した図。どうせならブレードサーバーとの差を教えてほしかったと思うのは筆者だけではないはず

 なお、ブレードサーバーでも、ハイエンドのブレードを使うと、ECO CENTERと比較検討するレベルの構成にできるのだそうだ。しかし、ブレードの数が増えてくると電源周りやI/O周りの機器で重量が増加するため、場合によってはデータセンターの床荷重をオーバーしてしまうという。軽量化が図られたECO CENTERには、床荷重面での対策も施されているので、無事に置けるわけだ。ECO CENTERにするか、ブレードにするかは、顧客の状況にあわせて提案するという話だが、案外、エコ以外の現実的な要因で製品が選択されている様子がうかがえておもしろい。

 9月30日には、幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2008」の会場で、グリーンITアワードの表彰式がある。

ITの省エネ
受賞企業 受賞機器・ソリューション等
経済産業大臣賞 日本電気 省電力サーバー“ECO CENTER”
商務情報政策局長賞 インテル インテルXeonプロセッサー
グリーンIT推進協議会会長賞 三菱電機 SiCパワーデバイス技術
審査員特別賞 ソニー 液晶テレビ ブラビア(KDL-32JE1)
審査員特別賞 日本アイ・ビー・エム/三洋電機 冷媒式Rear Door Heat eXchanger(RDHX)導入サービス
審査員特別賞 日立製作所 データセンター省電力化プロジェクトCoolCenter50
ITによる社会の省エネ
受賞企業 受賞機器・ソリューション等
経済産業大臣賞 ソニー/ソニー生命保険 ソニーシティの空調システムの構築と運用
商務情報政策局長賞 松下電工 ホームエネルギーマネジメントシステム ライフィニティECOマネシステム
グリーンIT推進協議会会長賞 日立ソフトウェアエンジニアリング 農業情報管理システムGeoMation Farm
審査員特別賞 富士通 商用車向け運行支援ソリューション
審査員特別賞 沖電気工業 流通店舗網向け省エネシステム
審査員特別賞 スプライン・ネットワーク Toner Saver(トナーセーバー)

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