このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

ゼロからはじめる最新サーバー選び -基礎編- 第3回

サーバー選びはフォームファクター選びから

フォームファクターで分類するx86サーバー

2010年11月19日 09時00分更新

文● 伊藤玄蕃

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

保守期間の長い産業用サーバー

 無停止型サーバー、あるいはFT(フォールト・トレラント)サーバーとも呼ばれ、主要なハードウェア部品が二重化され、ハードウェア障害が起こっても停止しない信頼性の高いサーバーマシンである。24時間体制で稼動する工場や、発電・通信などインフラ事業でのニーズが高い。

 また、制御機器等とセットになって使われることが多く、それらの機器の寿命に合わせて長期間使い続けられるように、通常のサーバーよりも保守期間を長くすることが可能になっている。ベンダーにもよるが、10年以上に渡り保証が受けられる製品もある。(写真9)

写真9 最長12年間にわたりハードウェア保守が受けられる産業用サーバー「東芝 FS10000S model 2000」

拡張性の考え方

 ここで、サーバーの拡張性についても考えておこう。冒頭で述べたように、サーバーのフォームファクターは、設置スペースの広さに大きく依存する。そして、フォームファクターはサーバーの拡張性に大きく依存するのである。近い将来にサーバーの性能向上が必要になることが予想できるのなら、当初の設置面積だけでフォームファクターを決めてしまうのは危険だ。拡張余力のある構成にしておこう。

 サーバーの性能を向上させる手段としては、「スケールアップ」と「スケールアウト」の2つの手法がある。

スケールアップ

 スケールアップは、単体のサーバーマシンの能力を向上させる手法である。使用中のサーバーのCPUやメモリ、HDDなどを増設したり、より性能の高い部品に換装することで性能を向上させる。データを一元管理する必要があるファイルサーバーやデータベースサーバーの性能向上には、この手法が使われる。

 タワー型サーバーやハイエンドのラックマウント型サーバーが、スケールアップに適したフォームファクターである。

スケールアウト

 スケールアウトは、複数のサーバーを並列に稼動させて負荷分散を図ることにより、サーバー群全体で性能向上を果たすという手法である。データを一元管理する必要がないアプリケーションサーバーや、同じデータを複製しておけばよい(静的なコンテンツの)Webサーバーに有効な手法である。

 ラックマウント型サーバーとブレード型サーバー、モジュラー型サーバーが、スケールアウトに適したフォームファクターである。タワー型サーバーでもスケールアウトは可能だが、性能向上に伴って設置スペースを広げなければならないので、あまり好まれない。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事