小さいし、静かだし、安いし。ML115ブームまた来るか？
3万5700円の小型サーバー「HP ProLiant MicroServer」発表
2010年09月09日 14時30分更新
9月9日、日本ヒューレット・パッカード（HP）は、「HP ProLiantサーバー史上最小」を謳うエントリータワー型サーバー「HP ProLiant MicroServer」を発表した。省スペース、静音性、低価格という3つを満たし、3万5700円という衝撃プライスで提供する。
省スペース、静音性、低価格を満たすサーバー
都内で開催された発表会において、日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括インダストリースタンダードサーバー事業本部 事業企画部 宮本義敬氏は、エントリーサーバー市場やHP製品のラインナップについて説明した。
日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括インダストリースタンダードサーバー事業本部 事業企画部 宮本義敬氏
現在、同社のx86サーバー事業部は2つの分野に注力しており、「1つは『Blade Everywhere』のコンセプトを掲げたブレードサーバー。もう1つはいままでなかなかリーチできなかった中小企業向けのエントリータワー型サーバー」とのこと。HPの調査によると、グローバルに比べ日本の市場はやや特殊で「市場の1/3がエントリーの1Pタワー」（宮本氏）という市場だ。これに対して、HPは2006年から中堅中小企業向けの営業体制を拡充し、AMDのCPUの搭載した低価格サーバーの投入や「まるごと半額キャンペーン」といった施策を打ってきた。そして、今回投入されるHP ProLiant MicroServerも、エントリータワー型サーバー市場のシェア拡大に向けた戦略製品となる。
日本ではエントリータワー型サーバーが市場の1/3をしめる特殊市場
日本のSOHOや中小中堅企業に最適なHP ProLiant史上最小サーバー
製品の詳細を説明した日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品企画部の小川竜司氏によると、オフィス向けのサーバーにおいては、省スペース、静音性、低価格、そして拡張性といった4つの条件が重要なファクターになるという。この要件を部分的にではなく、すべて満たすために作られたのがこのHP ProLiant MicroServerだ。
日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品企画部の小川竜司氏
今まで、同社のエントリータワー型サーバーでは個人ユーザーの多くが飛びついたベストセラーモデル「HP ProLiant ML110 G6」や、ホットプラグや冗長電源までカバーする10万円台の「HP ProLiant ML310 G5p」などが用意されていたが、HP ProLiant MicroServerはさらにエントリー向けのサーバー。省スペース、静音性、拡張性を追求しつつ、「パーツや製造工程はもちろん、サプライチェーンや物流まで精査し、この価格を出す努力をしてきた」（宮本氏）ということで、OSなしで希望小売価格3万5700円を実現した。
オフィスにおけるサーバーの要望
エントリータワー型サーバーのラインナップ
大型ファンの搭載で静音化を実現
まずサイズは「書類棚程度」を謳う210（W）×260（D）×267（H）mmといった立方体に近い筐体を採用した。また、木の葉のふれあう音と同等の21.4dBAという静音性を実現。「スリムではなく、コンパクトを目指した筐体構造で、静音化を可能にする大型ファンを搭載できました。さらに3.5インチのHDDを4台搭載するスペースを確保しました」（小川氏）。CPUに15Wという省電力を実現するAMD Athlon Ⅱ NEO N36L、高効率電源を採用することで、省エネ性能の高い製品に仕上げた。
立方体に近い黒い筐体に青いLEDが光る。前面にUSBポートが4つ並ぶ
ディスクドライブは前面から簡単に交換できる
一方、サーバーとしての拡張性や信頼性も十分。HDDは2TB HDDを最大4台搭載することで、8TBまで拡張可能。信頼性の高いECCメモリを最大8GBまで搭載でき、オンボードのSATAコントローラでソフトウェアでのRAID 0/1にも対応。PCIスロット×2（x16と×1）のほか、USBポートを合計7つ搭載し、多くの周辺機器と接続が行なえる。なお、標準構成はメモリ1GB、HDD160GBとなっている。
製品は本日からHP Directplusより発売開始される。
