2010年秋、注目アニメは四原色の「AQUOSクアトロン」で観る! 第1回
氷川竜介とシャープ開発陣が本気で画質チェック!
クアトロンはアニメでも真価を発揮するのか?
2010年09月27日 10時00分更新
アニメ鑑賞に良好な「ダイナミック」と「フォト」モード
それでは色の表現に移っていこう。当初は標準モードで視聴した氷川氏だが、それでは色作りが少々淡すぎるという印象を持ったようだ。それに対してシャープの小池氏は、発色の良さを重視したダイナミックモード、もしくは写真閲覧を想定したフォトモードでの視聴を推奨した。
氷川 「具体的にコメントさせてもらいます。いま観たレールガンの第12話は、前半のクライマックスに当たります。怪物との派手な戦闘シーンと、ドラマの落着点となるしんみりしたシーンの両方がありますが、どちらも色の再現度が非常に良いですね。
戦闘シーンでは、エフェクト系といわれている『稲妻』や『土埃』、『爆発』といった派手な作画があるんですが、撮影処理(コンポジット処理)で、それぞれに違った効果が加えられています。そのひとつひとつが鮮明に描かれていますが、特に砂鉄が舞い上がるシーンなどは粒も細かく見えて高印象です。
ラストの夕景シーンでは、心理描写に使われているオレンジ系の色が良く出ています。この夕焼けの色が、ドラマの締めくくりをうまく表現しています。これも非常にいい印象を持ちました」
以上はシャープカラーとも言える標準モードで視聴した氷川氏の印象だ。AQUOSクアトロンには5種類のモードが用意されているが、それぞれのモードについてはどのような印象をもっただろうか。
氷川 「『フォト』モードがよかったです。最初に見た『ダイナミック』モードも、アニメらしい鮮やかな表現でいいと思います。こちらを好む人も多いと思いますよ」
視聴に使った『とある科学の超電磁砲<レールガン>』は、深夜枠で放送され、比較的年齢が高いマニア層がメインターゲットになっている。大人の鑑賞にも耐えうるクオリティーを目指した作品と言える。
氷川 「アニメには、大きく分けて<レールガン>のような手の込んだ彩度を抑えた作品と、アンパンマンやドラえもんのようなパキパキした彩色の作品があります。ただ、最近の深夜アニメでも、演出として昔のアニメチックな色合いにするときもありますから、いずれにせよ表現者の意図に沿った色味の再現が重要なんですね」
ひと口にアニメ用モードと言っても、こうした表現に応じた違いを加味した取り組みが必要だ。
AQUOSクアトロンの各モード
AQUOSクアトロンに用意されているモードは「標準」「ダイナミック」「映画(THX)」「映画(クラシック)」「フォト」の合計5モード。
このうちダイナミックは、メリハリを明確にした描写だ。映画はフィルムの粒子感を残したまま補正される。THXは映画館でお馴染みのもので、その規格に準拠した発色を再現している。フォトモードは写真閲覧用だが、動画視聴時にも使用可能だ。それら以外にも細かい設定が可能で、ユーザーの要求に応える設計がなされている。
筆者も記事作成にあたり、自前の写真データを持ち込んだのだが、レタッチ時、黒に黒を重ねている部分まで見事に再現されていたため、フォトビューアーとしての性能に惚れ惚れしてしまった。
