Am486シリーズでは当初
インテルに性能面で後れを取る
これに続いて1993年4月には、「Am486DX」をリリースする。こちらは0.8μmと微細化したCMOSプロセスを使ったこともあり、比較的早い時期から40MHz動作を可能としていた。もっともインテルは1992年にすでに「i486DX2」を投入しており、まだ多少ビハインドがあったのは否めない。この差を埋めるため、同年10月には2倍速動作の「Am486DX2」を投入して追撃する。
さらに1994年には、Intel DX4に対抗すべく3倍速動作の「Am486DX4」を投入、120MHz動作を実現した。インテルはこのあたりで486アーキテクチャーに見切りをつけてPentiumへと製品移行を始めるのだが、AMDはまだ次の製品が用意できていなかった。そのため、もうしばらく486路線を続けることになる。
まず1995年に入ると、Intel DX4WBにあわせてWriteBackキャッシュを搭載した「Enhanced Am486DX4」を投入。さらに1995年末あたりには、4倍速動作となる「Enhanced Am486DX5」を投入する。もっともこのEnhanced Am486DX5という名称、AMDのデータシートには間違いなく出てくるのだが、製品をほとんど見たことがないあたり、ブランディング変更により幻と消えた型番の可能性がある。
1995年11月には名前を「Am5x86」と変え、最高で160MHz駆動の製品が投入される。このAm5x86コアをそのまま流用した組み込み向け製品が、「Elan SC520」である。
省電力版や組み込み向けの派生品が多いAm486
話を少し戻すが、Am486もまた、多数の派生型が生まれている。Static動作と低電圧化を行ったのが1993年10月にリリースされた「Am486DXL」で、こちらも2倍速/3倍速動作となる「Am486DXL2/Am486DX4 SE」に派生してゆく。
また、Intel 486SX相当という位置付けでFPUを無効化した「Am486SX」と、これを倍速動作させた「Am486SX2」、あるいはAm486SXのStatic動作低電圧版の「Am486SXLV」などが、1993年~1994年にリリースされた。
さらに、Enhanced Am486DX4のコアをベースに、周辺回路を統合したのが「Elan SC400/SC410」で、1997年にリリースされた。このElanシリーズのSC300/SC310/SC400/SC410/SC520という各製品は、AMDの分類では(Am80186シリーズ同様に)E86シリーズに分類されており、一応ローエンドが「Am80186EM」、ハイエンドがElan SC520として、それなりのラインナップが構成されていた。
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