システムズナカシマの「NICE営業物語」はユーザー目線に立って開発された営業支援ツールで、すでに11年の歴史を持つ。この実績の高い営業支援ツールをSaaS展開するにあたって、同社が選択したのがNTTコミュニケーションズの「Bizホスティング ベーシック」である。
歴史ある営業支援ツールを
SaaS展開するための課題とは?
システムズナカシマは、岡山のスクリュー会社であるナカシマプロペラの情報システム部門が独立してできたソフトウェア会社である。同社が自社グループの営業部門での利用を目的に、経営コンサルティング会社の指導の下開発されたのが、営業支援ツール「NICE営業物語」の原型となるものだ。
NICE営業物語について、システムズナカシマ 東京支店 システム営業二課 課長代理 藤田裕三氏は「1990年代、Webブラウザーで使える営業支援ソフトは存在せず、自社開発したのがNICE営業物語です」と語る。営業担当者が商談シートに商談や顧客情報を記録することで、活動内容や案件の進捗、実績、見込みなどを可視化できる。無駄なコンサルティングをなくし、フォームや表示項目のカスタマイズ機能を標準搭載している点が高い評価を得ている。
さて、パッケージとして販売していたNICE営業物語だが、客先を回る営業マンが商談シートに情報を書き込むというツールの性格上、やはりモバイル対応は必須となっていた。また、サーバーやデータベース、OSのライセンスなどが必要になるため、導入したくてもコスト面で見合わないユーザーも多かった。そこで、同社が進めたのがNICE営業物語のSaaS対応である。
データセンターの立地でも
Bizホスティングで正解!
NICE営業物語をSaaS展開するにあたって大きな課題だったのが、やはりコストの問題だ。「プラットフォームの提供や運営を自社でやるのは大変です。システム構築や管理のコストは、結局お客様への料金に跳ね返ってしまいます」(藤田氏)とのことで、低価格なサービスが必要だった。もちろん、信頼性や拡張性も重要だ。この結果、白羽の矢が立ったのがNTTコミュニケーションズのクラウド型サービス「Bizホスティング ベーシック」である。
Bizホスティング ベーシックは、「これぞ日本のクラウド」を謳う低価格なホスティングサービスで、仮想化技術を採用し、CPUやメモリ、ディスクなどを自由に組み合わせることが可能だ。料金も仮想サーバーあたり月額7350円からと低く抑えられている。
最大の特徴はサーバーだけではなく、ネットワークも一体で提供される点。VPN、インターネット、モバイルなどさまざまな回線を介して、仮想サーバーを利用可能。また、国内に分散設置されている堅牢なデータセンターで運用されており、ネットワークとサーバーをワンストップで監視している。
Bizホスティングを選定した理由に関しては、「コスト面でリーズナブルという点も大きいのですが、国内にデータセンターがあること、ネットワークも含め、信頼性が高いという理由もありました」と藤田氏は述べる。
NICE営業物語のSaaS版は、1ユーザーあたり月額3900円で提供される。特にiPhone版のNICE営業物語Smartを用いると、実績や目標のグラフ表示や「つぶやき」まで行なえる。ますます多くのユーザーに人気を博しそうだ。
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