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月額1260円でどこでも自分のデスクトップ

クライアントPCをクラウド化する「Bizデスクトップ」離陸

2010年06月03日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月2日、NTTコミュニケーションズはネットワーク経由でデスクトップの提供を行なう「Bizデスクトップ」を発表した。BizCITYサービス基盤のアプリケーションやサービスを、統合したユーザーインターフェイスで利用できるのが最大の特徴となっている。

いよいよデスクトップまで
サービス提供

 「BizCITY」は、NTTコミュニケーションズのクラウド系サービスの統合ブランド。高信頼のネットワークサービス、堅牢なデータセンターなどを活用したBizCITYサービス基盤(旧称setten)をベースに、昨年来Bizホスティング、Bizストレージ、Bizメール、そしてパートナーも含めた多種多様なSaaSが展開されている。そして今回BizCITYのサービスとして追加されるのが、デスクトップをネットワーク経由で提供する「Bizデスクトップ」である。

NTTコミュニケーションズ ビジネスネットワークサービス事業部長 原 隆一氏

 発表会において挨拶を行なったNTTコミュニケーションズ ビジネスネットワークサービス事業部長 原 隆一氏は、「ちょうど1年前にsettenの実証実験開始の発表会でWebデスクトップのデモを行なったが、いよいよ本格的なサービス開始に踏み切ることができた」と述べた。BizCITYサービス基盤を利用することで、さまざまなアクセス手段、さまざまなアプリケーションを統合的に利用できるほか、高いレベルのセキュリティを実現する。ユーザーはIDやリソース単位で月額料金を支払い、必要な分だけ追加・拡張を行なえばよい。

用途に合わせた2つのサービス

Bizデスクトップのサービスイメージ

 今回追加されるBizデスクトップは、2つのメニューが用意されている。1つめの「Bizデスクトップ ベーシック」は、Webブラウザ上の仮想デスクトップを利用できるサービス。デスクトップのほか、メールの送受信、5GBのストレージ、Office互換ソフト(ThinkFree)などが提供される。WindowsライクなシンプルなGUIで、デスクトップのカスタマイズ等やファイル管理なども可能となっている。また、NTTドコモの携帯電話向けのiアプリも用意されており、メールや添付ファイルを見ることができる。初期費用は1契約ごと2万1000円(税込)で、月額料金はIDごと1260円(税込)となっている。

WindowsライクなGUIを持つWebOS上でアプリケーション操作が可能

発表会会場ではPCだけではなく、NTTドコモのケータイでのデモも行なわれた

 2つめのBizデスクトップProは、クラウド上に仮想PCをホストするシンクライアントパッケージ。Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップサーバーをデータセンター上に用意し、NTTコミュニケーションズのVPNサービス(Arcstar IP-VPNやe-VLAN、Group-VPNなど)、SSL-VPN経由でアクセスする。価格は初期費用が1サーバーあたり2万1000円(税込)で、サーバー1台の利用料が6万3000円(税込)、アカウント料金が30アカウントで1万5750円(税込)となる。オプションでマイクロソフト「Office 2010」や「ウイルスバスター」が利用可能になる。

 最大の特徴は「BizCITY上のさまざまなサービスや他者のアプリケーション、ユーザーの社内システムまで、すべてBizデスクトップから使えるようになる」(原氏)という点。まさにさまざまなサービスの接点となるBizCITYサービス基盤の「ふろしき」を用いて、シームレスにサービスを提供していけるのが大きな売りとなる。本格サービスの開始に際しては、setten実証実験のフィードバックを活かし、「Windowsライクな使いやすいユーザーインターフェイス、ストレスのない高いレスポンスを実現した」(原氏)という。

 今後のBizCITYの展開も明らかにされた。まず第2四半期は、高いセキュリティを誇るNGNの回線認証やシングルサインオン環境の整備するほか、VoIPやコラボレーションなどのアプリケーションを拡充。第4四半期には、アクセス環境に合わせてオンデマンドでVPNを構築するsettenの技術を取り入れていくという。将来的には、BizCITY基盤をリアルデバイスにつなぎ、仮想ネットワーク経由でコントロールするといった構想まで描いている。

 Bizデスクトップを含め、BizCITYの各種サービスに関しては、6月9日から11日まで行なわれる「Interop Tokyo 2010」で披露される。

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