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週刊 PC&周辺機器レビュー 第59回

新しくなったVAIO J テレビ機能の進化をチェック

2010年06月18日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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BS/110度CSの魅力的な番組も
PSPやウォークマンで見られる!

 新GPDの機能で高く評価したいもうひとつの点が、録画番組のPSP/ウォークマンへの書き出し機能(モバイル書き出し)の強化だ。まず、BS/110度CSデジタル放送の番組も、PSPなどに書き出せるようになった。

PSPやウォークマンに録画番組を書き出す「モバイル書き出し」

PSPやウォークマンに録画番組を書き出す「モバイル書き出し」。新たにBS/110度CSの番組も書き出せるように

 記者は110度CSで放送しているディスカバリーチャンネルやナショナルジオグラフィックチャンネル、あるいはNHK BSでのドキュメンタリーなどをよく見るが、これらは今までモバイル書き出しに対応していなかった。新GPDではこれらの番組も書き出して、携帯機器で見られるようになる。書き出せるのが地上波だけだと、「携帯のワンセグでもいいじゃない?」という気になるが、BS/110度CSの番組はワンセグでは見られない。

録画番組を転送中

録画番組を転送中。USB経由なので1時間程度の番組書き出しに3分少々かかる

 モバイル書き出しの画質も向上した。モバイル書きだし用のデータ「おでかけ番組」は、番組録画と同時にリアルタイムで生成される。従来のGPDでは、おでかけ番組の画質はワンセグ放送相当の、ビットレート128kbps程度、フレームレート15fpsという低画質なものだった。しかし新GPDはこれが、768kbps程度、フレームレート29.97fpsまで向上している(解像度は変わらず320×240ドット)。

ウォークマンXで再生してみた

ウォークマンXで再生してみた。全般的に細部の鮮明さが増し、動きが滑らかになっている

 解像度が変わらないのでどの程度良くなるかは疑問だったが、実際にウォークマンXに転送して見てみると、意外なほど見やすくなっていて驚いた。顕著なのはフレームレートの向上で、ワンセグのカクついた映像に比べれば、滑らかさの違いは一目瞭然だ。ビットレートの向上により、文字や輪郭などの鮮明さが増したのも大きい。これならワンセグとは大違い、と言っても語弊はないだろう。

 注意点としては、BS/110度CSの番組は基本的にコピーワンスのままなので、モバイル書き出しで携帯端末に持ち出した状態では、パソコン側での再生はできない。戻す転送処理をすると、また見られるようになる。ユーザーにとっては不便な話だが、機器側ではいかんともしがたいので仕方ない。

 ちなみに、他社のテレビパソコンでは、携帯電話機向けにSDメモリーカードに番組を書き出す機能を持つものが多いが、GPDでは携帯電話機向け書き出しの機能はない。もっとも、画面が大きく色再現性も優れたディスプレーを持つPSPに書き出せるのはソニー製品だけなので、欠点にはならないだろう。これでiPhoneやXperiaなどにも書き出せたら、文句の付けようがないのだが。


ダイジェスト再生がゴルフやフィギュアスケートにも対応

 長時間のスポーツ番組やニュース番組を、短い時間で要点だけ切り出して再生する「ダイジェスト再生」は、BDレコーダーにも搭載されている機能だ。GPDももちろんダイジェスト再生機能を備えているが、新たにスポーツ番組を対象とした再生の際に、対応するスポーツのジャンルを増やした。

 新たに追加されたのは、ゴルフにバレーボール、テニス、フィギュアスケートなど。例えばゴルフの場合は、選手がコースを移動している場面はカットして、ショットやパットの場面だけを切り出すという具合だ。

 従来のダイジェスト再生では、音声の変化を軸に見所を切り出すという処理が行なわれていた。しかし新しいダイジェスト再生では、電子番組表のジャンルを元に解析パターンを変え、映像解析も加えて見所の場面を抽出しているという。残念ながら、試用期間中にこれらの番組の地上波放送がなかったため、実際に録画してテストできなかったが、デモで見た限りでは、見所のない部分をうまく飛ばしていたようだ。

オランダ対デンマーク戦をダイジェスト再生してみた様子

モザイクだらけで恐縮だが、オランダ対デンマーク戦をダイジェスト再生してみた様子。画面下の濃いブルーの線が再生部分で、その上の縦棒グラフは盛り上がりシーンを示すゲージ。前半と後半3分の1までは、特に盛り上がったシーンだけを抽出、試合が動きやすい後半残りはすべて再生する

 サッカー・ワールドカップの試合の録画で試してみた。「ダイジェスト再生(おすすめ)」を選んだところ、後半17分まではシュートのあった前後の場面を抽出し、17分以降は全体を再生するという結果になった。サッカー1試合をおおむね20分程度で見られる計算になる。ダイジェスト再生される時間を短くしていくと、試合後半の全体再生される部分が減っていく。試合のダイジェストを見るには十分役立つだろう。前後半の間にあったニュース番組もダイジェストで抽出されてしまったのはご愛敬、といったところか。

 そのほかにも、盛り上がり部分を抽出して「盛り上がり具合」グラフ表示する機能や、フィルムロール型の場面表示の機能も備えている。見たい部分だけをすばやく見るのに役立つし、CMカットにも使える。

映像を一定時間ごとに区切り、フィルムロール風に並べる機能も備える

映像を一定時間ごとに区切り、フィルムロール風に並べる機能も備える。見たい場面をすばやく探し出すのにとても便利

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