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週刊 PC&周辺機器レビュー 第59回

新しくなったVAIO J テレビ機能の進化をチェック

2010年06月18日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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話題のテレビ録画機能を早速チェック
2番組同時AVC録画でおまかせ・まる録が使いやすくなる

 それでは本題であるテレビ録画機能をチェックしてみよう。VAIOシリーズではテレビ視聴・録画ソフトとして、以前より「Giga Pocket Digital」(以下GPD)と称するアプリケーションを搭載している。テレビの視聴や録画だけでなく、番組のBDへの書き出しや簡易編集、ウォークマンやPSPへの書き出しなど、テレビに関する機能をまとめて提供する統合アプリケーションだ。

テレビ視聴・録画ソフト「Giga Pocket Digital」。画像は「マウスモード」の状態で、テレビ画面(左)と番組情報などを表示するウインドウに分かれている

 GPDは基本的に、テレビを表示するウインドウと、番組表や録画したコンテンツを表示するウインドウの2つに分かれている。この状態を「マウスモード」と呼ぶ。画面全体に映像を表示してリモコンで操作する際には、「リモコンモード」と称するリモコン向けユーザーインターフェースに切り替わる。リモコンモードでは、1画面内ですべての表示が完結する。

リモコンモードでの映像表示

「リモコンモード」での映像表示。フルHDの画面全体にテレビ/ビデオ映像を表示し、メニューや文字情報はオーバーラップされrる

リモコンモードでの録画番組一覧

リモコンモードでの録画番組一覧。画面左の項目を上下操作で選ぶ

 リモコンモードは映像に集中しやすく、各項目が画面内に大きく表示されるのが利点だ。そこでおもわずマウスでも操作したくなるのだが、リモコンモードの状態でマウス操作をしようとすると、マウスモードに切り替えるかリモコンモードのまま続けるかの二択になってしまう。これは残念だ。リモコンモードでもマウス操作でボタンや項目選択が可能になるといいのだが。

新型チューナー

2番組同時のAVC録画を実現した新型チューナー

 新しいGPD(内部ではGPD 3.0と呼ばれているそうだ)の特徴のひとつが、新型の地上/BS/110度CSデジタル放送チューナーに対応し、2番組同時の「AVC長時間録画」が可能になった点にある。従来のVAIOにもAVC長時間録画に対応する製品はあったが、2番組同時録画の場合、一方はAVC録画でももう一方はMPEG-2 TSそのまま(DRモード)の録画になり、HDD容量を圧迫しがちだった。新型チューナーと新GPDの組み合わせでは、そうした制約を気にせず常に長時間録画が可能となったわけだ。

 評価機は1TBのHDDを内蔵しているので、HDDの空き容量にはかなりの余裕がある。また、USB外付けHDDに録画することも可能なので、HDD増設のできないBDレコーダーに比べれば、HDD容量を心配しながら録画することも少ない。しかしDRモードに比べると、比較的圧縮率の低い「HD 高画質モード」でも60%程度、「HD 標準モード」なら30%程度まで録画データのサイズを減らせる。HD 高画質モードならば画質の劣化も少ないので、HDD容量を気にせずどんどん録画できるのはうれしい。

10分間の地デジ番組を、各モードで録画する場合のHDD消費量の違い(赤枠内)。左からDRモード、HD高画質、HD標準。HD標準ではかなり小さくなっていることがわかる。さらに高圧縮の「HD 長時間モード」もあるが、圧縮率は23%程度なので、画質の劣化度合いに比べると微妙なモードとなっている

 特に、ユーザーの視聴パターンからお勧めの番組を分析したり、おおまかな条件を指定して該当する番組を自動録画する「おまかせ・まる録」機能を使う際には、多くの番組が録画されるのでAVC長時間録画は必須だ。番組の放送時間がかぶってもAVC長時間録画で録れるのもいい。

「おまかせ・まる録」で深夜アニメを想定した録画条件を指定

「おまかせ・まる録」で深夜アニメを想定した録画条件を指定してみた。右が対象となる番組一覧。録画モードや再放送番組の除外、自動削除なども設定できる。市販のBDレコーダーにもまずない強力な録画機能だ

 ちなみに、お勧め番組を自動録画する機能は、デジタル放送対応パソコンはもちろんBDレコーダーでも、搭載しているメーカーはソニー以外ない独自の機能だ。テレビ機能に注目してテレビパソコンを選ぶ際には、覚えておくとよいだろう。

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