もともと、ソニーのパソコン「VAIO」のテレビ録画機能は、同業他社のそれと比べても優れた点を持っている。例えば、録画番組の細かい内容や、番組内で紹介された商品・店舗の情報を参照できる「カタログビュー」機能は、番組をより深く楽しむのに便利な機能だ。
先日発表された2010年夏モデルのVAIOでは、テレビ機能の強化が大きな特徴となっている。AVCによる長時間録画のダブル録画対応のほか、ダイジェスト再生機能の改良、そしてBS/110度CSデジタル放送の書き出し対応など、かゆいところに手が届く改良が目に付く。今回はディスプレー一体型デスクトップ「VAIO J」(VPCJ119FJ/B)を試用し、特にテレビ機能の改良点について見てみたい。
タッチパネルつき21.5型フルHDの一体型デスクトップ
まずはVAIO J本体についてチェックしてみよう。21.5型ワイドサイズのディスプレーを中心にした本体は、外周フレームが下に伸びてスタンドになるデザインで、より大型の「VAIO L」と同じデザインとなっている。ディスプレー部の下の空間には、付属のワイヤレスキーボードをしまえるようになっている。本体の奥行きは最小で約185mmとコンパクトだ。
ディスプレーは光学式のマルチタッチ機能を内蔵している。そのため、ディスプレー面が額縁部分よりもだいぶ奥にある。マルチタッチは2本指での操作に対応しており、Windows 7のタッチ操作が可能となっている。ディスプレー解像度はフルHD解像度対応の1920×1080ドット。映像視聴に適したグレアパネルを採用している。なお、3Dステレオ映像表示には対応しない。
本体上部右側には、電源ボタンやサポート窓口の情報などを提供する機能「VAIO Care」を呼び出す「ASSIST」ボタンと並んで、ディスプレーの表示を消す「DISPLAY OFF」ボタンがある。パソコン本体をスリープ状態にすると、パソコン内のメディアを別のパソコンやDLNAクライアントなどと共有する機能が使えなくなる。つまり「スリープにはしたくないが、操作はしないので画面を消したい」という場合に、ワンボタンで簡単に画面だけを消せるわけだ。パソコンをメディアサーバー的に使う人には、地味に便利なボタンである。
CPUには本来モバイル向けのCore i5-450M(2.40GHz)を採用している。独立GPUは持たず、CPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics)を使用する。BD再生は十分こなせるし、グラフィックス負荷の軽いゲームは楽に動かせるパワーを持つ。ただし、ヘビーな3Dグラフィックス能力を要求するゲームには向かない。
本体左側面には、トレイ式の記録型BDドライブを内蔵。BD再生ソフトには「WinDVD BD」をプレインストールしている。メモリーは標準で4GBを内蔵(最大8GB)。OSはWindows 7 Home Premiumの64bit版を搭載する。
上記は店頭販売モデルのVPCJ119FJ/Bのスペックで、それほどハイスペックというほどでもない。だが、CTO方式で販売される「VAIO OWNER MADEモデル」(VOMモデル)では、CPUにクアッドコアのCore i7-640Mを選んだり、独立GPUのGeForce 310M(512MBメモリー)の内蔵も選べるなど、高性能な構成も可能となっている。店頭販売モデルの性能には満足できない人は、VOMモデルを検討してみるとよいだろう。

この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ