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下書きもプロットもなし つぶやくように書かれたツイッター漫画

2010年06月01日 12時00分更新

文● ノトフ

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HEROさんの「7と嘘吐きオンライン」より

 ボーカロイド「初音ミク」の登場でにぎわうインターネットの音楽世界。プロ・アマの区別なく、好きなタイミングで作品を投稿できる自由さがクリエイターの意欲を刺激し、今ではネットと音楽は切り離せないものになりつつある。「歌ってみた」や「演奏してみた」といった形でプレイヤーは増加し、音楽の配信文化もネットから生まれている。

 同じように、「漫画」をネットで発表することも珍しいことではなくなっている。

 ネットで発表した漫画が人気を博し、書籍化、アニメ化というサクセスストーリーも、今ではちらほら目につくようになってきた。だが、とにかく作品の数が多いのは音楽のときと同じだ。その中から商業展開、いわば作家デビューできる作家はごくわずかだ。

 その中で、今からおよそ3年前、まだインターネットで漫画を描く作家がそれほどいなかった時代から発表をつづけ、根強い人気を持つ作家がいる。「HERO」さんだ。

Image from Amazon.co.jp
堀さんと宮村くん 1 (ガンガンコミックス)

 HEROさんの作品は、これまでの「漫画」の形にとらわれない自由さが特徴。ストーリー漫画風にコマ割りをするわけでもなく、4コマ漫画でもない。コマをひたすらタテに並べ、ストーリーをつくる。画面がスクロールできるネットならではの発想だ。

 代表作「堀さんと宮村くん」は、そのスタイルで描かれ、書籍化さえされている。

 そのHEROさんが最近発表したのが、「7と嘘吐きオンライン」。ツイッターを題材に扱った漫画だ。ツイッターの中で次々に「これはすごい」と話題が広まり、爆発的なブームを呼んだ。

 HEROさんは現在、会社員だ。それと同時に商業作家でもあり、また自分のサイトでも漫画を描きつづける「ウェブ漫画家」でもある。ウェブで漫画を描きつづけてきた作家がつくりあげた独自のスタイルは、はたしてどんな発想から来ているのか。ツイッター漫画の制作秘話から、インターネットが広げる個人の可能性を感じてもらいたい。

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