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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第46回

NVIDIAチップセットの歴史 その1

原点はXbox NVIDIAチップセットの系譜をたどる

2010年04月05日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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NVIDIAのチップセットロードマップ

NVIDIAのチップセットロードマップ

 これに続き2003年4月には、ようやく「K8」が「Opteron」としてリリースされる。これに対応する形で発表されたのが、「nForce3 Pro 150」である。このnForce3はワンチップ構成となっており、当初はGPU非統合だった。対応CPU以外は、ほぼnForce2に準ずるものであったが、IDEポートを3つ搭載し、これでRAIDが組めるといったあたりは、当時のほかのチップセットにはない機能だった。

nForce3 Pro搭載マザーボードの例

nForce3 Pro搭載マザーボードの例

 また、CPUとのインターフェースは600MHzの16×8bitという非対称構成(CPU→nForce 3は16bit幅、nForce→CPUは8bit幅)だったが、当時の構成からすれば「これでほぼ十分な帯域だ」というのがNVIDIAの見解だった。一応Opteron向けということもあり、nForce Pro 150は2プロセッサーまでの構成をサポートしていた。

 これに続き、2003年10月の「Athlon 64」発表に合わせて正式発表されたのが、「nForce3 150/250」のファミリーである。これらはともに、2003年9月のCOMPUTEX TAIPEIで公開されているが、ただし実際に製品が登場したタイミングは非常にバラつきがある。最初に登場したのはnForce3 150である。スペック的にはOpteron用のnForce3 Pro 150と同一であり、単にSocket 754への対応を加味したことと、2プロセッサー構成のサポートを省いただけでしかない。

nForce3搭載マザーボードの例

nForce3搭載マザーボードの例

 また同時期に、モバイル向けとなる「nForce3 Go」もリリースされる。機能的には電力管理機能「Power Now!」に対応した以外の違いはない。ただ、当初ラインナップされた「Mobile Athlon 64」は、TDP最大81.5Wという恐ろしい消費電力で、モバイルというよりはDTR(Desktop Replacement)ノート向けであったし、それですら消費電力が大きすぎた。

 のちに130nm世代でもTDP 35Wで動作するMobile Athlon 64が登場したことで、辛うじて実用的な範囲の製品が作れるようになる。そんなわけで、Mobile Athlon 64を搭載した製品はかなり後まで登場せず、nForce3 Goの採用もかなり後ろにずれることになった。

 これに続き投入されたのが、「nForce3 250」シリーズである。製品アナウンスそのものは2003年10月だったが、最初に登場した「nForce3 250Gb」でも、実際に搭載製品が登場したのは2004年5月あたりからだったと記憶している。こちらはHyperTransport Linkも16bit×16bitとなり、動作周波数も最大1GHzになったほか(当初は対応CPUがなかったので、800MHz対応とされていた)、SATAが4ポート対応になり、またGigabit Ethernetポートが内蔵されるようになっている。

nForce3 250Gb搭載マザーボードの例

nForce3 250Gb搭載マザーボードの例

 このnForce3 250Gbを元にして、サーバー向けにOpteron対応とした「nForce3 Pro 250Gb」の搭載製品が登場するのは、1000MHz HT対応のOpteronが登場した2005年8月前後だったと記憶している。これに比べるとエントリーモデルのnForce3 250はもう少し登場時期が早く、2004年6~7月には搭載製品が出ていたようだ。

 ちなみに、nForce3 250Gbをベースに、公式に1000MHz HTとSocket 939対応を謳ったのが「nForce3 Ultra」で、これは2004年6月である。ただし、“なぜか”nForce3 250GbのままSocket 939対応や1000MHz HT対応をうたった製品があるあたり、両者の違いは純粋にバリデーション(検証)だけだったと思われる。

 このnForce3シリーズは「Crush K8」「Crush K8S」というコード名だったが、NVIDIAはこれに引き続き、「Crush K8G」と呼ばれるGPU統合チップセットを計画していた。これはCrush K8SにNV17(GeForce 4 MX)ないしNV25(GeForce 4 Ti)を統合、する予定だったようだが、結局は「Crush 3GIO」世代に持ち越されることになった。

 正確な理由はもちろん公表されていないが、DirectX 7/8世代のGPUコアでは競争力がなく、さりとてDirectX 9世代のGPUコアは、当時ワンチップでは収まりきらないから、というあたりのようだ。その結果、nForce3世代はnForce3 Ultraで幕を閉じることになる。

今回のまとめ

・GPU専業メーカーだったNVIDIAは、XboxのGPU内蔵型チップセットを設計したことでチップセットビジネス参入のきっかけを作った。最初の製品は、2001年6月に投入したAMD CPU向けの「nForce 420/220」である。

・Athlon XPと同時期に投入したのが、2002年7月の第2弾「nForce2」シリーズである。上位のサウスブリッジにはDirectX 8対応のサウンド機能や2つのLANコントローラーをサポートするなど、高機能を志向した。

・AMD64 CPUに対応したチップセットは、Opteron用の「nForce3 Pro 150」が最初の製品となる。Athlon 64に対応したチップセットは、2003年10月に発表された改良版「nForce3 150/250」からとなる。ただし、この世代ではGPU内蔵チップセットは製品化されなかった。

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