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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第46回

NVIDIAチップセットの歴史 その1

原点はXbox NVIDIAチップセットの系譜をたどる

2010年04月05日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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NVIDIAのチップセットロードマップ

NVIDIAのチップセットロードマップ

 AMDのサーバー向けチップセットについて述べた前回に、NVIDIAのチップセットについては「nForce Professional」シリーズのみ紹介した。今回からはNVIDIAのデスクトップ/ノート向けチップセットについて説明していこう。


NVIDIAのチップセットのルーツはXboxにあり

 NVIDIAの場合、チップセットビジネスへの参入のきっかけは、初代Xboxの開発だった。初代XboxはCPUコアのみインテル製で、これは「モバイルCeleron」(Coppermine-128K)を流用したものだ。GPUはNVIDIAの「GeForce 3」を改良したもので、これをつなぐチップセットも、やはりNVIDIA製だった。

 このXbox、OSはWindows 2000をベースにしたものだったし、3D APIはDirectXということで、実体はほとんどPCに近いものだった。実際初期の開発キットは、モバイルCeleronを搭載したPCにGeForce 3を装着したものだったようだ。

 この開発はいろいろ難航したが、最終的にNVIDIAはこれをモノにするとともに、チップセットビジネスに参入するに十分なノウハウを得るにいたる。こうなると当然チップセットビジネスに参入したくなる。当然ながらインテル向けチップセットの開発を当初は考えていたものの、PC分野向けへのプロセッサーバスライセンスを、インテルから得る事がついにできなかった。

 この結果、NVIDIAは方針を転換。まずはAMD向けチップセットを投入することにする。これが2001年6月に発表された初代の「nForce」である。

nForce搭載マザーボードの例

nForce搭載マザーボードの例

 nForceは2チップ構成で、チップ間を400MHz 8×8bitのHyperTransport Linkでつなぐという構成は、Xboxのチップセットと同じだ。ノースブリッジは「IGP128」と「IGP64」の2種類、サウスブリッジが「MCP」と「MCP-D」の2種類で、これを組み合わせることで合計4種類のラインナップが用意される……はずだった。

nForce IGP128の内部構成

nForce IGP128の内部構成

  • IGP128:メモリーバス2チャンネル+GeForce 2 MX(ハイエンド向け)
  • IGP64:メモリーバス1チャンネル+GeForce 2 MX(バリュー向け)
  • MCP-D:オーディオにAC97のほか、5.1ch Dolby出力搭載(独自規格)
  • MCP:オーディオはAC97

 「はず」というのは、IGP64+MCP-Dの組み合わせはほとんどなかったからだ。バリュー向けのIGP64に、わざわざDolby Labへのライセンス料支払いが必要なMCP-Dを搭載するケースは皆無だった。

 この結果、ラインナップとしては以下の3製品が当初出回ることになる。

  • nForce 420-D (IGP128+MCP-D)
  • nForce 420 (IGP128+MCP)
  • nForce 220 (IGP64+MCP)

 もっとも、MCP-Dに搭載された5.1ch Dolby出力は、独自規格という点が災いしてほとんど利用されなかった。さらにそれ以外の機能についてはMCPとMCP-Dで変わらないこともあり、当初こそMCP-Dを搭載した製品が多かったものの、次第にMCPを搭載した製品が増え始めたと記憶している。

 このnForce 420/220に続き、2002年に入ってからIGP128からGPUを抜いた「SPP128」が、「nForce 415」として投入された。こちらもサウスブリッジにはMCPとMCP-Dが利用可能で、MCP-Dを搭載した場合は「nForce 415-D」と称されている。

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