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Amazon、楽天に負けないネット書店の作り方 (3/3)

2010年03月26日 14時00分更新

文●三浦たまみ

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――ネットショップのエキスパートが斬る!――

イズムラボ株式会社代表取締役でデジタルハリウッド講師の中村賢一さんに、現在のネットショップを取り巻く環境と、中小ショップが持ちうる“強み”について伺いました。


ありふれた商材に、どのような付加価値を付けられるか

 EC市場全体が伸びているとはいえ、世界的な大不況、消費の低迷を考えると、ネットショップも決して楽観視できるわけではありません。しかし、こうした状況だからこそ、輸入商品を扱うネットショップには業績が好調なところもありますし、ASサービスは以前と比べて飛躍的に機能が充実しているのに料金は安くなっており、中小規模のネットショップにとって追い風になる要素もあります。


“売り方の独自性”で、莫大な宣伝効果を生む

 中小規模のネットショップが今後、生き残っていくためには、何よりもまず独自性が必要です。独自性とは、必ずしもオリジナル商品を意味するわけではありません。他店で売っている商材だとしても、そこに付加価値をつけて売ることができれば、立派な独自性のある商品と言えます。たとえば、アロマと入浴剤という本来、異なる商材をセットにして「癒しセット」などとして販売することが挙げられます。

 このとき、「いかにスピーディーに実行に移せるか」という点も中小ショップなら考えておきたいところ。大手企業であれば、細かい事項1つとっても上層部の許可を得ないと進められないことがよくあります。しかし小規模ネットショップは、思い立ったアイデアは、タイムラグなしに即、実行に移せます。この点をフルに活かし、トライ&エラーを繰り返しながらも、さまざまなアイデアを模索していきましょう。

 独自性を打ち出すことは、そのまま宣伝効果に直結します。たとえば、プレスリリースが掲載されやすくなり、多くの人の目に止まり、大きな宣伝になる可能性があります。また、アフィリエイトが定着した今、独自性のある商材であれば、アフィリエイターにとっても売りやすい商材になるので、より多くの人が紹介してくれる可能性が高まります。アフィリエイトは外部リンクとして認識されるため、SEO効果も期待できます。

 どんなに競合店が増えたとしても、自分のお店だからできるサービスや売り方というのは存在するはず。“独自性”を見つけることが、生き残りの大きなポイントです。


中村賢一イズムラボ代表取締役社長。サイト制作、Webコンサルティングを手がける。Yahoo! ショッピング、Yahoo! オークション、ビッダーズの出店者向けのセミナー講師経験を活かし、売れるウェブサイトを指南。「デジタルハリウッド」の講師としても活躍している。


協力:佐川フィナンシャル株式会社(http://www.sagawa-fin.co.jp/

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