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後発でも勝てた!「詰め合わせ商法」はセンス勝負 (1/2)

2010年04月02日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第34回です。過去の記事もご覧ください。


 未曾有の世界不況の波がネットショップにも押し寄せています。個人消費の落ち込みは中小ネットショップにとっても決して無関係とは言えません。無駄なものはなるべく買わない――商品購入前に、以前よりも慎重に検討するようになったという人は少なくないでしょう。

 それでも、本当に必要だと感じた商品、心から欲しいと思った商品は当然ですがきちんと購入されています。ただ、売り手は以前にも増して「なぜその商品が欲しいのか?」という顧客の心理を分析し、ニーズを見極めたうえで、効果的にアピールできる販売方法を模索する必要があります。


漫画喫茶にはできない“所有欲”を満たす

安藤拓郎さん

『漫画全巻ドットコム』の安藤拓郎さん

 漫画の全巻セットを販売する『漫画全巻ドットコム』では、顧客心理をどのように捉え、販売へ活かしているのでしょうか。

 単純に「○○という漫画を全部読みたい」というだけの理由であれば、街中にある漫画喫茶に行けば安く済むはず。ということは、安く読めるだけではない、ほかの要因があるからこそ、全巻買いそろえたいという心理が働くのでしょう。店主の安藤拓郎さんは次にように分析します。

「まず、『所有したい』という心理があると思います。たとえば『スラムダンク』という漫画は、ワイドサイズで販売している特別仕様の完全版(豪華版、価格は新刊本の2倍以上)がありますが、これがよく売れています。また、『手元に置いて何度も読み返したい』というお客様も多くいます。小説やエッセイなど、他のジャンルの本と比べても、漫画の場合はその傾向が強いと思います」

■今回の成功ネットショップ:
漫画の全巻セット販売『漫画全巻ドットコム』

漫画全巻ドットコム


2006年8月、漫画の全巻セット販売に特化したネットショップとしてオープン。開業当初は中古本を扱っていたが、 2007年9月、すべての商品を新刊本に切り替える。2008年度後期の年商約7億円。楽天市場、Yahoo! ショッピング、ビッダーズにも支店がある。

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