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新生活に選ぶこの製品、このサービス 第5回

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Aterm WR8700N──速度で選ぶブロードバンドルータ

2010年03月19日 09時00分更新

文● 遠藤哲

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部屋の隅々まで届くハイパーロングレンジ

 さて、Aterm WR8700N(HPモデル)という商品名の「HPモデル」とは何だろうと、既にお気づきの方もおられると思う。これは、WR8700Nの強みでもある長距離でも安定した通信を実現できる特徴を「ハイパーロングレンジ」という言葉で表したものだそうだ。

 電波は遮蔽物がない場所では、周波数が高いほど直進性が増すが、板壁やドア、ガラスなどでは反射あるいは屈折し、遮蔽物の裏側に回り込む(回折する)という性質がある。

 無線LANの電波も当然このような性質があり、部屋の構造や壁/ドアの材質によって、影響を受け電波が弱まってしまうのである。

 WR8700Nが5GHz帯と2.4GHz帯の無線LANの規格を全部利用できるということに触れたが、部屋の中で通信ができないほど電波が弱くなってしまっては話にならない。

 もう一つ重要なのは「電波が部屋の隅々まで到達するかどうか」ということだ。この点を筆者の自宅で計測してみた。計測にはノートパソコンにAterm WL300NCを装着し、製品に添付されていたツール「サテライトマネージャ」を使用している。

測定ポイント。アクセスポイントのすぐ近くと、部屋の一番離れた位置で計測している

 上は筆者の自宅の見取り図。それぞれの計測ポイントの受信感度を示したグラフを下に掲載している。

 測定グラフは左から右へと時間が進んでいる。中央部分に極端な落ち込みがあるのは2.4GHzと5GHzの切り替えを行ったためである。

測定ポイント1の受信レベル

測定ポイント2の受信レベル

 測定ポイント1は、WR8700Nとノートパソコンの間に遮蔽物がないパターンである。距離にして3mぐらい離れている。どちらも60dBをやや下回るレベルで受信強度は強い。

 比べてみると2.4GHzのほうが受信強度の変化が大きく、5GHzは変化が少なく安定しているのが見て取れる。2.4GHzの受信強度の変化は、デュアルチャネルの利用なのでほかの無線LANルータで利用している電波の干渉の影響と思われる。

 測定ポイント2では、受信強度としては2.4GHzのほうがやや強いという結果だった。周波数が高いほど電波の減衰も大きくなるということを思い出させる結果となった。

 ドアや壁といった遮蔽物があるにしても、測定ポイント1から直線距離にして6mぐらいしか離れていないので、率直に5GHz帯の電波は意外に弱まるものだなと感じた。しかしそれでも、30dB近辺を維持しているのが強く印象に残った。ハイパーロングレンジをアピールしているのはダテではないと思った次第である。

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