2月8日、NECアクセステクニカは無線LANルータ「Atermシリーズ」の最上位製品「AtermWR8700N(HPモデル)」を発表した。Atermシリーズ初となる、IEEE802.11n/a(5GHz)とIEEE802.11n/b/g(2.4GHz)の同時使用が可能で、LAN側ポートが1000BASE-Tに対応する製品だ。
無線LANの伝送速度は理論値で最大300Mbps、実効速度で最大180Mbps以上。高性能アンテナを内蔵することで、200m離れた距離で50Mbps以上、350mでも40Mbps以上の通信が可能だという。
また、新機能として「TVモード」を搭載する。これは、「ひかりTV」や「アクトビラ」のようなIPで配信された動画をテレビで視聴する「IPTVサービス」を無線LAN経由で利用する際に、通信を安定化させるモードだ。ほかに、機能を抑えることで消費電力を削減する「ECOモード」と、未使用のLANポートへの電源供給を制限する「LANポート自動節電」も搭載する。ECOモードには、
- 設定1
- 無線LAN停止、有線LANポートを100Mbpsに制限、LEDを消灯、USBポート停止
- 設定2
- 無線LANを最大65Mbpsに制限、有線LANポートを100Mbpsに制限、LEDを消灯、USBポートを停止
の2つの設定が登録されている。通常時の消費電力は11.4Wだが、設定1とLANポート自動節電を組み合わせることで最大で59%減となる4.6Wまで節電が可能になる。
加えて、ニンテンドーDSの初期モデルのような、無線LANのセキュリティがWEPにしか対応していない機器を接続する際に役に立つ「マルチSSID」を搭載する。これは、1つの無線LANにセキュリティレベルの異なる2種類のSSIDを設定する機能で、プライマリSSIDのセキュリティをAES、セカンダリSSIDにWEPを割り当てることが可能になる。セカンダリSSIDで接続した機器は、ほかの無線LAN機器や有線接続の機器との通信を禁止し、インターネットアクセスのみを許可できる。これにより、第三者にWEPを破られて無線LANに侵入されたとしても、他の機器への不正アクセスを防止できる。
マルチSSIDは、2.4GHzと5GHzに個別設定が行なえるため、合計で4種類のSSID(暗号化方式)を使い分けることが可能になる。
EthernetコンバータやUSB子機も用意
無線LANルータ本体「AtermWR8700N(HPモデル)」に加え、Ethernetコンバータタイプの子機「AtermWL300NE-AG」、USB接続タイプの子機「AtermWL300NU-AG」を用意される。無線LANルータ本体は、WAN側×1、LAN側×4のギガビットEthernetインターフェイスに加え、USB2.0ポート×1を搭載しており、USBメモリやHDDを接続することで、簡易NASとして利用することも可能だ。
Ethernetコンバータは、LAN側としてギガビットEthernetインターフェイス×2を搭載。リビングに有線LANケーブルを這わせることなく、テレビとレコーダ、もしくはテレビとゲーム機をインターネットに接続することが可能になる。
USB子機は、サイズが約28(W)×87(D)×12(H)mmで、重さ約20gのスティックタイプ型。対応OSは、Windows 2000 professional/XP/Vista/7で、Windows 7は64ビット版にも対応する。
各単体での販売のほか、AtermWR8700N(HPモデル)に子機を組み合わせたセットモデルも販売される。価格はすべてオープン価格だが、予想価格は以下の通り。
商品名 | 構成 | 予想価格 | 出荷時期 |
---|---|---|---|
AtermWR8700N(HPモデル) | 無線ルータ単体 | 1万3000円 | 2月中旬 |
AtermWL300NE-AG | Ethernetコンバータ子機 | 1万2000円 | 3月上旬 |
AtermWL300NU-AG | USB子機 | 7000円 | 3月上旬 |
AtermWR8700N(HPモデル) Ethernetコンバータセット | WR8700N(HPモデル) +WL300NE-AG | 2万円 | 2月下旬 |
AtermWR8700N(HPモデル) USBスティックセット | WR8700N(HPモデル) +WL300NU-AG | 1万6000円 | 2月下旬 |
お詫びと訂正:掲載当初、表中の予想価格に誤りがありました。該当部分を訂正するとともにお詫び申し上げます。(2010年2月9日)
