AMDは3月2日、統合型チップセットの新製品「AMD 890GX」を発表した。AMD 890GXは、2008年8月に発表された「AMD 790GX」の後継として位置づけられる製品であり、「AMD 785G」の上位となる。AMD 790GXは、SB750と呼ばれるサウスブリッジと組み合わせて使われていたが、AMD 890GXでは、サウスブリッジも後継のSB850になり、チップセットとしては世界で初めて、6GbpsのSATA 3.0を標準サポートしたことが特徴だ。
統合されているグラフィックスコアも、ADM 790GXのRadeon HD 3300から、Radeon HD 4290に変更され、DirectX 10.1に対応したほか、動画再生支援機能も「UVD 2.0」対応へと進化している。グラフィックスコアのクロックは700MHzで、AMD 785Gの500MHzよりも高い(AMD 790GXも同じ700MHz)。また、外付けビデオカードとの連携機能も搭載する。従来は、「Hybrid Cross Fire」と呼ばれていたが、AMD 890GXでは「AMD Dual Graphics」という名称になり、Radeon HD 5450との組み合わせがサポートされている。AMD 890GX、AMD 785G、AMD 790GXの仕様を、以下の表にまとめたので参考にして欲しい。
| チップセット比較表 | |||
|---|---|---|---|
| ノースブリッジ(IGP) | AMD 890GX | AMD 785G | AMD 790GX |
| グラフィックスコア | Radeon HD 4290 | Radeon HD 4200 | Radeon HD 3300 |
| DirectX | 10.1 | 10.1 | 10 |
| コアクロック | 700MHz | 500MHz | 700MHz |
| シェーダユニット数 | 40基 | 40基 | 40基 |
| 動画再生支援 | UVD 2.0 | UVD 2.0 | UVD |
| HyperTransport | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
| サウスブリッジ | SB850 | SB710 | SB750 |
| USB 2.0 | 14 | 12 | 12 |
| Serial ATA | 3.0×6 | 2.0×6 | 2.0×6 |
| RIAD | 0/1/0+1/5 | 0/1/0+1 | 0/1/0+1/5 |
USB 3.0対応のASUSTeK製マザー
「M4A89GTD PRO/USB3」で性能を検証
AMD 890GXの発表にあわせて、各マザーボードベンダーからAMD 890GX登場マザーボードが発表されており、すでに販売が開始されている製品もある。ここでは、ASUSTeKの「M4A89GTD PRO/USB3」を利用して、AMD 890GXの性能を検証してみたい。「M4A89GTD PRO/USB3」は、AMD 890GX+SB850を搭載したATXマザーボードであり、型番から推測されるようにUSB 3.0もサポートしている。SB850でも標準サポートはUSB 2.0までなので、NEC製のUSB 3.0コントローラーを搭載することで、USB 3.0対応を実現している。
なお、AMD 890GXなどの最近のAMD製チップセットでは、ノースブリッジ側にビデオカード用のPCI Express 2.0 x16とは別に汎用のPCI Express 2.0を6レーン備えている。そこにUSB 3.0コントローラーを接続することで、PCI Expressの帯域がボトルネックとならず、USB 3.0のパフォーマンスをフルに発揮できることも利点だ(それに対し、Intel H55/H57では、PCI Express 1.0 x1経由での接続になるので、PCI Expressの帯域がボトルネックとなる)。
「M4A89GTD PRO/USB3」の拡張スロットは、PCI Express x16が2基、PCI Express x4が1基、PCI Express x1が1基、PCIが2基という構成になっている。2つのPCI Express x16スロットは、PCI Express x8相当として同時に利用でき、ビデオカード2枚差しによる「ATI CrossFire X」にも対応する。PCI Expressスロットは、すべてPCI Express 2.0対応である。なお、M4A89GTD PRO/USB3には、「VGA Switch Card」と呼ばれるカードが付属しており、ビデオカードをPCI Express x16接続として使う場合には、一つめのPCI Express x16スロット(白色)にVGA Switch Cardを装着する必要がある。
このマザーボードは独自機能も充実している。「Core Unlocker」機能は、デュアルコア/トリプルコア製品で使われていないコアのロックを解除し、4つのすべてのコアを利用できるようにする機能だ。もちろん、すべてのデュアルコア/トリプルコア製品で利用できるわけではなく、AMD保証外の利用方法となるので、あくまで自己責任で試してもらいたい。Core Unlockerは、マザーボード上のスライドスイッチを動かすだけで利用できる。さらに、自動オーバークロック機能の「Turbo Key II」も搭載。こちらも、マザーボード上のスライドスイッチを動かすだけで有効になる。また、メモリーの相性問題が原因でPCが起動しなかった場合、SPDを無視して、最適な設定で起動を試みる「MemOK!」機能も搭載している。MemOK!機能は、電源をオフにした状態で、マザーボード上のMemOK!ボタンを押すことで利用できる。
(次ページへ続く)
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