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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第7回

同時アクセス、プリントOK

意外と「緩い」仕組みで始まった日経電子版の狙いとは

2010年03月01日 09時00分更新

文● 大河原克行

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決済はクレジットカードのみ

 今回、決済方法をクレジットカードに限定している点も興味深い。

3つの読者カテゴリーを設定した

 ひとつは、新聞販売店を通さない「直販」商品としているという観点からだ。クレジットカード決済は、日本経済新聞社との契約になる。

 日本経済新聞社でも、「電子版は再販商品ではなく、直販商品。従って、購読者に対する1000円という購読料も、景品表示法などにあたるものにはならない」と説明する。

 電子版は、もちろん日本経済新聞社から直接、読者に情報を配信する仕組みとなっている。販売店を経由するものはなにもない。そのため、新聞では販売店を通じて、配達先の地域の広告が折り込まれるが、電子版ではそうした配信がなくなる。新聞社と販売店との関係についても、新たな関係が模索されるきっかけとなりそうだ。

必要なサービスにあわせて購読形態を選択できる

 2つめは、クレジットカード決済ということは、電子版が、あくまでも個人読者を対象とした姿勢を打ち出すことにつながる点だ。

 日本経済新聞は約310万部の発行部数を誇るが、そのうちの約7割が個人読者。電子版のターゲットはまずここになる。もちろん、次のステップでは、企業向けへの対応が図られることになるだろうが、回覧されることが多い企業よりは、まずは一部一人の読者スタイルが前提となっている個人読者への展開によって、ノウハウ蓄積を優先することになる。

 だが、いまの段階でも、企業で有料購読ができないわけではない。コーポレートカードを活用してクレジットカード決済をすることも可能だからだ。

Web刊、\朝刊/夕刊、My日経の3つの形態をとる

 しかも、今回の会見では触れられることはなかったが、いまのところ、付与されたIDを複数の人が利用しても、ある程度の人数までは、同時アクセスが許される構造となっている。一定の人数を超えた場合には、後からは入れないという仕組みだ。これも企業での利用を想定した使い方だといっていい。

 企業ユーザーの利用を限定した上で、今後、企業における利用に向けた仕組みをどう構築していくかが注目されよう。

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