強い既視感を覚えるフォルム。「I-10」という名前。とくれば、古いカメラ好きは確実にアレを思い出す。1979年にペンタックスが発売した「auto 110」である(関連記事)。
「PENTAX Optio I-10」(2月25日発売、予想実売価格3万円前後)は、明らかにauto 110を意識したネーミングだ。auto 110は110フィルム(ポケットフィルム)を使った超小型一眼レフでレンズ交換ができた。小さなボディにぴょこんと飛び出たペンタ部が可愛いカメラだったが、I-10もわざとそんなフォルムにし、レトロなカメラっぽさを引き出すため、ボディにシボ加工まで施している。シャッターボタンの中央に窪みをつけたのも芸が細かい。
だが、狙いは昔からのカメラ好きではなく、四角いデジカメに食傷し、レトロ調の親しみやすいボディに魅力を感じるイマドキのライトユーザーのようだ。写真で見るより実物は小さくて軽くて可愛い。
背面から見ると光学ファインダーがありそうな位置にスピーカー。その下に2.7型のワイド液晶モニター。解像度は23万画素と一般的なクオリティだ。
撮影時はモニターの右端にプレビューが、左端の余ったエリアには撮影情報が表示される。個人的には、せっかくのワイドモニターをもうちょっと上手に使えなかったかと思う。