ペンタックスから、世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタルカメラ「PENTAX Q」が発売される。いわゆるミラーレス一眼だ。カメラおよびレンズの発売日は“近日”とのこと。
フランジバック(マウント面から撮像素子までの距離)を9.2mm(同社のKシリーズの5分の1の距離)に短縮した独自の「Qマウント」により、コンパクトデジカメに採用されている1/2.3型裏面照射CMOSセンサーでレンズ交換を可能とした。
最大の特徴は、ポップアップ式のストロボを内蔵しながら、幅98×奥行き31×高さ57.5mm、約200g(撮影時)という本体サイズ・軽さを実現。まさに“手のひらサイズ”となっている。
撮像素子の解像度は有効1240万画素で、ボディ内にセンサーシフト式の手ブレ補正機能「SR」を搭載する。感度はISO 125~6400まで設定可能。秒間5コマの連写が可能で、3枚の連写画像を合成してダイナミックレンジを広げる「HDR」機能も搭載する。シャッタースピードは1/2000秒まで設定可能で、1920×1080ドットのフルHD動画(H.264)の撮影もできる。
撮影モードはP/A/T/Mといった一般的なモードに加え、「BC」(ボケコントロール)機能を搭載。画像処理によりボケ感を演出する。JPEGはもちろん、RAW撮影も可能だ。
また、「スマートエフェクト」と呼ばれる画像仕上げ機能を備えるが、このカメラは1979年に発売された小型フィルムカメラ「auto110」を強く意識しており、その名称を冠した「Auto110」モードを搭載する。Auto110モードは、写真をいわゆるトイカメラ風の仕上がりにするモードだが、複数の仕上がり候補から選択できるのが特徴だ。
このほか、彩度をぎりぎりまで高める「極彩」や、HDR処理を利用して非現実的な写真にする「ドラマチックアート」、ポジフィルムをネガ現像、またはネガフィルムをポジ現像したような仕上がりにする「クロスプロセス」といった、9つの仕上がりを選択できる。
ラインナップは、単焦点の標準レンズ「PENTAX-01 STANDARD PRIME」が付属する「レンズキット」(予想実売価格7万円前後)と、それに加えて標準ズームレンズ「PENTAX-02 STANDARD ZOOM」が付属する「ダブルレンズキット」(同9万円前後)の2種類となる。なお、上記のレンズはレンズシャッターを搭載しており、内蔵ストロボ使用時で最高1/2000秒までの同調撮影ができる(外部ストロボ使用時は1/250秒まで)。また、NDフィルターも内蔵する。
Qマウントレンズは5種類を用意
本体に付属するものも含め、新しいQマウント用レンズは5種類が発表されている。なお、名称は「PENTAX-01 STANDARD PRIME」というように、焦点距離や明るさなどの記述がない。これは、このカメラのターゲットユーザー(レンズ交換式カメラ初心者)が、数字を見て難しく考えないように配慮したから、とのことだ。
