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「抱き枕」で検索1位――多店舗展開の隠れたヒミツ (2/2)

2009年10月30日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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多店舗展開のカギは受注管理システム

 現在、河元さんは『まくらぐっすりショップ』『低反発.com』『抱き枕.com』以外に、マシュマロ枕というヒット商品だけを販売する『アンニーク・ショップ』や、楽天店、ヤフー店、ビッダーズ店など、全部で10サイトもネットショップを運営しています。これだけ多くのサイトを同時に運営できるのは、理由があります。

「全ショップの情報をデータベース化して一元管理してくれる、受注管理システムを自社で構築したからです。注文が入ったら注文確認メールや納期予定日を自動的にお客様に送信するのはもちろん、毎朝、どの商品が何個売れたか全ショップを集計しメーカー別に振り分け、さらに各メーカーに商品の追加注文の発注書をFAXするところまで自動化しています。ネットショップを運営する中で煩雑になりがちな作業は、極力、システム化したおかげで、大幅な効率化につながりました」


 ネットショップの多店舗展開による専門店化を進める河元さん。とはいえ、専門店化を目指すあまり、新たに立ち上げるサイトの情報量が極端に少なくなってしまっては逆効果。顧客の信頼感は急降下してしまいます。『低反発.com』や『抱き枕.com』は、サイトの見せ方や商品カテゴリの分け方に工夫を凝らすことで、決して多いとはいえない商品点数でも、魅力的で活気のあるサイト作りを実現しています。次回はこのあたりの秘密に迫ります。


――ネットショップのエキスパートが斬る!――

 多くのWebサイト制作・コンサルティングを手がけている株式会社サーフボード ディレクターの矢満田雄介さんに、「ネットショップの専門店化」についてお話を伺いました。



専門店化で商材の魅力をダイレクトに訴えかける

 マーケティング用語に「ワンメッセージ、ワンマーケット、ワンアウトカムの法則」というものがあります。1つのメッセージを、1つのマーケットに対して伝え、1つの出口しか用意しないという意味。ネットショップに当てはめれば、できる限り商材は絞り込み(ワンメッセージ)、「30代の女性」などターゲットも明確にさせ(ワンマーケット)、さらに各商品詳細ページなどはページ内に必ず「購入ボタン」を用意し、購入へ導く(ワンアウトカム)ことを意味します。

 こうした観点から考えると、枕という商材に特化した河元さんは、その時点で商材を絞り込んでいますから、ある意味「ワンメッセージ」に該当すると言えます。さらにもう一歩踏み込み、低反発枕のみ、抱き枕のみに特化したサイトを作ることで、商品を探しているお客さんによりダイレクトに訴えかけることができます。


サイトは「ツカミ」が命! LPOの実践を!

 「低反発」「抱き枕」などに特化したサイトを作ることは、ユーザーニーズに応える意味でも非常に理に叶っています。検索エンジンにキーワードを入力して商品を探しているユーザーは、 “なんとなく”何かを探しているのではなく、「枕の中でも抱き枕が欲しい」など、明確な目的を持って具体的なキーワードを入力して商品を探すケースが多いのです。「抱き枕」と入力して、『○○寝具店』が表示されるより、『抱き枕.com』が表示される方が、ユーザーの求めるものと合致しているため、離脱率も低くなります。 SEO的にもキーワードの絞込みができ、効果が期待できます。

 ただし河元さんのショップのように、商品データを一元管理できる仕組みが整っていないと複数のサイトを運営するのは厳しい。そこで、まずはよく検索されるキーワードや売れ筋商品に関するページ作りの見直し、いわゆる「LPO(Landing Page Optimization)」の実践が重要となります。

 LPOとはユーザーが検索連動型広告などを通じてクリックした際に最初に辿りつくページ(ランディングページ)を、ターゲットに合わせて求めている情報(解決策)が提示されているように編集、最適化すること。よく検索されるキーワードに関するページや売れ筋商品などのページを、商品のウリとなる点を考慮しながら再構築していきます。何パターンかのランディングページを作成しておき、一定期間検証し、もっともコンバージョンの高いページを採用するようにしていきましょう。


矢満田雄介:ネットショップをはじめ企業サイトの企画・構築・支援を手掛ける株式会社サーフボード東京営業所所長、ディレクター。主に関東圏内にある企業のサイトをディレクション。ユーザビリティを考慮した“売れる”サイトづくりに定評がある。


協力:佐川フィナンシャル株式会社(http://www.sagawa-fin.co.jp/

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