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「抱き枕」で検索1位――多店舗展開の隠れたヒミツ (1/2)

2009年10月30日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第22回です。過去の記事もご覧ください。


超「専門店化」でネットショップを多店舗展開

 ネットショップで扱う商品のラインアップがある程度増えてくると、新サイトを立ち上げ、複数のショップを運営することで売上をさらに拡大できる場合があります。2003年、『まくらぐっすりショップ』をオープンした河元智行さんの場合も然り。開業から2年後、低反発枕だけを扱った『低反発.com』、抱き枕だけを扱った『抱き枕.com』を新たに立ち上げて運営を開始します。

左上から時計回りに『低反発.com』(http://www.teihanpatsu.com/)、『抱き枕.com』(http://www.daki-makura.com/)、『まくらぐっすりショップ』(http://www.rakuten.co.jp/oyasumi/)



 本店である『まくらぐっすりショップ』は、寝具の中でも枕に特化したお店です。その意味では、開業当初から商材を絞り込んでいたといえますが、「『枕』って、綿、ソバガラ、低反発など素材が多岐に渡るだけでなく、足枕、腰枕、アイピロー、旅行用枕など用途別に見てもさまざまなものがあり、ものすごく “幅広い”商材なんです」と河元さんは話します。

「中でも、本店に来店する新規のお客様は、『低反発』『抱き枕』というキーワードを入力してお店を探す方が圧倒的に多かったので、それぞれの枕のサイトを新しく作り、独立させて販売するのはアリだと思いました」

 商材を特化して別サイトを立ち上げれば、単純に間口は広がり、より多くの顧客にショップの存在を知ってもらえる可能性が高まります。しかし、それ以上に大きなメリットがあると河元さんは言います。

お客様のニーズにより具体的に応えることができる、というメリットです。たとえば、抱き枕を探しているお客様にとっては、さまざまな枕を揃えた『まくらぐっすりショップ』よりも、そのものズバリな『抱き枕.com』の方に魅力を感じますし、信頼感も抱きます。具体的に欲しいものが明確にあるため、専門性が高く詳しいスタッフのいるショップで購入したいと思うからです。実際、商品点数が5000点以上あるヤフー店よりも、商品点数が300点しかない『抱き枕.com』の方が売上は多いです」

 もうひとつのメリットは、SEOの観点での効果が期待できるという点。『低反発.com』は「低反発」、『抱き枕.com』は「抱き枕」というキーワード1語で、それぞれYahoo! JAPANおよびGoogleの検索結果の最上位に表示されています。低反発枕、抱き枕など1種類の商材に絞り込んだため主要キーワードが適切な割合で散りばめられ、検索結果にも好影響を与えているのです。


■今回の成功ネットショップ:
『枕と眠りのおやすみショップ!』『抱き枕.com』

抱き枕.com


2002年「枕の総合情報サイト ぴろコレ」という個人サイトを立ち上げ。翌年6月『まくらぐっすりショップ』でネットショップ開業。その後、ヤフー店、楽天店を立ち上げ、2005年3月には『抱き枕.com』『低反発.com』を新たにオープン。 2008年度の前期の売り上げは1億7000万円に達している。

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