※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第20回です。過去の記事もご覧ください。
数ある競合店から一歩抜きん出るためには、新商品を適宜投入するだけでなく、その店独自の、オリジナル商品の開発が不可欠です。創作洋菓子店の『シリアルマミー』の場合、店主の篠 直余さん1人が商品開発を担い、年商2億円以上という数字を叩き出しています。なぜ、ここまで顧客に支持される商品を開発できるのでしょうか。
斬新なアイデアで一躍“時の人”に
篠さんが多くの顧客に受け入れられた大きな要因の1つが、“主婦”の感覚を大事にしたこと。篠さんが最初に手がけたスイーツは、フレンチトースト。夫のフランス料理店で出すデザートとして考案したのがきっかけでした。
「『フレンチトーストはまかない料理。お客様に出すなんて失礼だ!』とシェフには言われました」。しかし、反対の声を押し切って試験的にメニューに取り入れたところ大好評。一躍、お店の看板メニューに成長し、デパ地下からの出店依頼を受けるきっかけにもなります。一流シェフやパティシエとは異なる、一主婦ならではの発想こそが、多くの女性客を惹きつけることになったのです。
篠さんは、「子供が喜びそうな」「家族に受け入れられそうな」アイデアを盛り込んだ商品を作ることも得意にしています。たとえば、「シリマミ動物園」は、パンダ、ブタ、にわとりなどの動物の形をしたケーキ。ハンバーガーの形をした「マミドバーガー」、お弁当に見立てた「おかじゅう」は、全部がスイーツでできているユニークな商品です。
「『おかじゅう』は、東京・自由が丘にある『スイーツフォレスト』というスイーツをテーマにしたフードパークに出店していますが、人気パティシエの作るおしゃれな創作デザートがずらりと並ぶ中で明らかに“異質”。でも、だからこそ目立つし売れる(笑)。どこかで見かけたようなデザートでは勝負にならない。まったく違ったアプローチをかけなければ! と捻り出したアイデアでした。こうした“他とは違う視点”は常に意識しています」
インパクトがあり、家族でも楽しめる篠さんのスイーツは、テレビや雑誌をはじめ数多くのメディアから引っ張りだこ。マスコミへの露出も、シリアルマミーが多くの顧客に知られる大きなきっかけとなりました。
■今回の成功ネットショップ:
創作洋菓子販売『シリアルマミー』
1998年1月、夫の経営するフランス料理店でフレンチトーストを販売し話題を呼ぶ。以後、創作洋菓子販売を開始。同年6月、新宿伊勢丹のデパ地下に出店。以後、プランタン銀座(1999年)、自由が丘スイーツフォレスト(2003年)をはじめ、都内の有名デパートに次々出店。 2001年8月、ネットショップオープン。2004年、楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「スイーツ・菓子・デザートジャンル賞」を受賞。 2007年度のネット/実店舗を合わせた年商は2億4000万円。 。
- URL:http://www.rakuten.co.jp/siriaru/
- 店主:篠 直余さん