影編#2 髪~椅子を描く
脱線してしまったので、影の話に戻る。お次は髪だ。金髪の場合は黒髪などの濃い髪と違い、生え際や頭頂部を基軸として、奥に行くに連れて深くなっていくイメージで塗っていく。塗り終えたら、色彩を色相グラフから「HSB」の値で細かく調整。Hは色相、Sは彩度、Bは明度の順番で、より直観的に色を変えられる。
ついで同じ原理で、水着、パレオの順で影を付けていく。水着の場合は基本の胸の下に入る影を付けたら、モノが落とす濃い影を入れていくという順番。左右にヒモの入った線を入れると立体感が出るが、あまりやりすぎるとうるさくなってしまうので注意。
それが終わったら、最後は口と椅子。上唇は下を向いているので下唇よりも暗くなるというポイントさえ押さえておけば良い。漫画を描く場合でも、上唇だけにスミベタなりスクリーントーンを貼ることがあるのはこのためだ。
ここで一工夫、くちびるの色を選択したまま、瞳に「色トレース」を施す。目の線画を描いたレイヤーをクリッピングマスクとして、赤系の塗りつぶしレイヤーで軽く目元を塗ることで、目の印象を明るく出来る。
椅子のような小物はとにかく大事なところに影があれば説得力が出る。あまり細かくやりすぎるとキャラクターの邪魔をしてしまうので「モノが落とす影」を主に塗っていく。まず線画部を選択してから4pxほど選択範囲を縮小し、明るめの色で塗りつぶしたら、基本の明暗分けが出来上がり。その後、10pxのブラシで明るい部分を追加していく。
それが出来たら一度、キャラクターに合わせて椅子の明暗部をそれぞれ濃い目に調整する。その後ふたたび選択範囲をとり、今度は背もたれの明暗を描く。それが終わったら、ひじかけに上の光源から降ってきた光をブラシで描き、腕が落とす影を描いたら完成!
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