32nm世代のCPU「Westmere」とは?
ASCII.jp読者にとって気になるのは、Nehalemに続くデスクトップCPU「Westmere」が、どのようなCPUになるかだろう。
先日発売されたコード名「Lynnfield」ことCore i7/i5は、2008年11月に登場したNehalemと同じく、45nmプロセスで製造されたCPUだ。Lynnfieldは基本的にNehalemを低コスト化させて、メインストリームのデスクトップ用CPUとして開発したものだ。また、ノート向けのNehalemアーキテクチャーCPUとして、コード名「Clarksfield」こと「Core i7モバイル・プロセッサー」が用意されている。チップセットには、Intel 5シリーズのモバイル版「Intel PM55 Express」を使い、「Calpella」プラットフォームと呼ばれる。
32nmプロセスのWestmereでは、デスクトップ向けの「Clarkdale」と、ノート向けの「Arrandale」が用意される。Clarkdale/Arrandaleは、どちらもグラフィックス機能を内蔵したデュアルコアCPUとなっている。ただし、グラフィックス部分は、CPUコアに統合されるのではなく、ひとつのCPUパッケージの内部に、CPUコアとグラフィックスコアの2チップを混載したCPUとなる。CPUコア部分は32nmプロセスのWestmereを使用するが、グラフィックスコアには45nmプロセスが使用される。また、メモリーコントローラーはグラフィックスコア側に搭載される。
ClarkdaleとArrandaleは4コア/4または8スレッドのLynnfieldと異なり、2コア/4スレッドに対応するCPUとなっている。対応メモリーがDDR3のデュアルチャンネルなのは、Lynnfieldと同じだ。ハイパースレッディングやターボブースト機能などにも対応する。
またWestmereでは、AES暗号処理に使う「AES-NI acceleration」という命令がCPUに追加されている。披露されたデモでは、AES暗号を使ったZIPファイルの暗号化や復号化を高速に処理してみせた。サーバー側ではSSLの処理高速化に使えるし、将来的にOSがWestmereのAES-NI機能に対応すれば、例えばHDD全体を暗号化しても、読み書きのパフォーマンスが落ちなくなるだろう。