芸術の秋に手放せないデジカメ9機種をチョイス
9月も半ばを過ぎ、今年も運動会や紅葉狩りでカメラが活躍する季節となってきた。それに合わせるようにメーカー各社も新型のコンパクトデジカメを次々と発表している。
そこで特集最後となる今回は、各メーカーの新型コンデジからASCII.jp編集部のオススメをひとつずつチョイスし、その機能を紹介する。この秋、手元に置いておきたい一台を探す際の参考にしていただければ幸いだ。
大口径のレンズの威力――富士フイルム「FinePix S200EXR」
富士フイルムの注目デジカメは「FinePix S200EXR」(以下S200EXR)だろう。
同社の最新撮像素子「スーパーCCDハニカムEXR」を搭載した当機は、先に発売された「F200EXR」と同等のCCDを使用していると思われる。F200EXRの光学5倍ズームレンズに対して、S200EXRは光学14.3倍ズームレンズを搭載しており、従来機「S100FS」の特徴を踏襲している。
S100FSでは撮像素子のサイズが2/3型と若干大きかったため、35mmフィルム換算で28~400mm相当になっていたが、S200EXRでは1/1.6型となったため、画角も30.5~436mm相当へと若干望遠よりになっている。これにより、レンズ絞りに対する背景のボケの効果などが出づらくなっているが、そこは「ぼかしコントロール」機能を搭載することによって補っている。一方でダイナミックレンジはS100FSの400%から最大800%(優先モード時)へと大幅拡大を実現した。
従来機はCCD、レンズ共に専用でスペシャルモデルの雰囲気が漂っていたが、S200EXRはあくまでもF200EXRに対する望遠レンズモデルといえそうだ。
光学14.3倍ズームレンズは開放値F2.8(ワイド端)~F5.3(テレ端)と高倍率ズーム機としては明るい。手ブレ防止機能はF200EXRとは違い、レンズシフト式になっている。そのためかレンズはその存在感が前面に押し出されており、ボディ全体から受ける印象は最近のデジタル一眼やEVFデジカメよりもボリューム感がある。
可動式だったS100FSから一転して、背面液晶モニターは2.7型/23万ドットの固定式へと変更された。若干サイズが大きくなり、視野角も広いため、極端なローアングル時以外ではあまり不便さを感じないが、23万ドットの解像度に若干物足りなさが残るのは否めない。このあたりはコストとの兼ね合いを感じさせる部分でもある。
従来機のS100FSはレンズ固定式のEVFデジカメとしてスペシャルな内容が盛りだくさんな印象だったが、S200EXRではF200EXRの望遠モデルという印象が強くなった。しかし、ダイナミックレンジ800%などの際立った機能は捨てがたく、ネイチャーフォトなどでは優位性を発揮するだろう。また、レンズ固定式ということでボディ内へのホコリの進入が防げるなど、レンズ交換式にはない優位性も持ち合わせている。レンズ交換が苦手、または心配な初心者に向いているのではないだろうか。
この連載の記事
-
第4回
デジカメ
お散歩に持って歩きたい!注目デジカメ4選 -
第3回
デジカメ
小型軽量の本格派。ペンタックス「K-7」の実力 -
第2回
デジカメ
カメラマンの気分を盛り上げる一台――ニコン「D300S」 -
第1回
デジカメ
EOS 7DとEOS 5D MarkII、どっちが買い!? -
デジカメ
この秋注目のデジカメを総ざらい! - この連載の一覧へ