今年の夏から秋にかけて、デジタルカメラ新製品が続々と登場した。デジタル一眼レフではキヤノンやニコンからAPS-Cサイズの上位機種が登場し、一方でオリンパス「E-P1」やパナソニック「GF1」など、マイクロフォーサーズで小型のカメラも登場。コンパクトデジタルカメラも様々な機能を搭載していてかなり面白いことになっている。本特集では、これらのデジタルカメラ最新機種を総ざらいで紹介していきたい。
まずはデジタル一眼レフから。最初に紹介する1台は、9月1日にキヤノンから発表されて話題を集めた、APS-Cサイズ素子採用のハイエンド一眼レフカメラ「EOS 7D」(10月上旬発売)である。フルサイズ素子までは要らないが「EOS 50D」では機能に物足りなさを感じるハイアマチュアやプロ向けに、機能を出し惜しみしないフルスペック機種である。今回β機を入手したので、早速その機能と性能をチェックしてみた。
そもそもEOS 7Dの位置づけは?
キヤノンのデジタル一眼レフラインナップをおさらい
キヤノンのデジタル一眼のラインナップは、最高機種にフルサイズ素子採用の約2110万画素の「EOS-1Ds MarkIII」があり、そしてAPS-Hサイズ素子採用で約1010万画素ながらも秒間10コマの連写機能が売りの「EOS-1D MarkIII」が共にプロ向け機種としてエントリーしている。
高画素かつ高画質を求める人向けにEOS-1Ds MarkIIIが、スポーツなど高速な連写性能を必要とするプロ向けにEOS-1D MarkIIIが存在する。さらに、1桁のEOSシリーズには、35mmフルサイズ素子採用でHD動画の記録機能を持ち、EOS-1Ds MarkIIIと同じく約2110万画素の撮像素子を採用する「EOS 5D MarkII」がある。また、ミドルレンジを支える2桁シリーズには、APS-Cサイズ素子採用の約1510万画素「EOS 50D」があり、エントリークラスである「Kiss」シリーズには、約1510万画素の「Kiss X3」と約1220万画素の「Kiss X2」が用意されている。今回の主役であるEOS 7Dは、EOS 5D MarkIIとEOS 50Dの中間を埋める位置づけとなる。
上から下まで幅広いユーザー層を支える豊富なラインナップに見えるが、ミドルレンジの中核をなすEOS 5D Mark IIは、HD動画撮影機能や上位機種EOS-1Ds MarkIIIと同等の画素数と素子サイズを持ちながらも、本体の基本性能の面で従来機EOS 5Dと大きく変わったとはいえず、インパクトに欠けている。EOS 50Dも発売からかなり経ち、新鮮味が薄れている点も合わせ、ミドルレンジに華が欠けていることは否めなかった。
EOS 50Dはちょっと平凡な感じで機能的にも目立つ部分が少ない。かと言ってEOS 5D MarkIIは機能的には魅力だけど、フルサイズ素子は必要ないし、ちょっと高い。でも動画機能は欲しいなあ……なんて人たちがいるのかどうかはともかくとして、(新製品は)そろそろ動画対応の2桁ナンバーかな? との噂もあったが、実際に登場したのは全てが新しい1桁モデルナンバーのEOS 7Dだった。
元々、銀塩の時代にもEOSシリーズは1桁とそれ以外というラインナップだった。比較的高性能でプロの使用に耐えられる性能を持った機種が1桁シリーズに該当し、銀塩時代には「1」を筆頭に「5」「7」「3」といった機種が存在していた(ちなみに、数の少ないほうが高性能)。果たして「7D」の後に「3D」が控えているかは不明だが、今回の「7D」の登場はまさに「とっておき」といった感じだ。

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