ファインダーの進化がすごい!
7Dでの注目は、AFシステムとファインダー周りの進化だ。AFシステムは一新され、測距点は19点。全てにクロスタイプのセンサーを採用し、中央部はデュアルクロスタイプとなっている。EOSシリーズでは長らく9点測距のAFシステムを搭載し続けていたが、7DでようやくAFシステムが進化した。これから出てくるだろうEOSシリーズにも同等かそれ以上のAFシステムが搭載されることを期待したい。
ファインダー視野率100%、倍率1.0倍を実現したことで「ファインダー実像が小さい」というAPS-Cサイズの欠点を完全に解消している。見た目の印象としては1Dsや5Dに近く、かなり大きく実像を見ることができる。これならマニュアルフォーカスで使う気になれるだろう。
光学ファインダー内部には透過型液晶を採用し、「インテリジェントビューファインダー」が搭載された。これにより、AFフレームの表示をはじめ、グリッド表示やスポット測光時の範囲、ファインダー内での水準器表示が可能となった。水準器はAFフレームを兼用するため、常時出しっぱなしでというわけにはいかないが、これでわざわざフォーカシングスクリーンを買って交換する手間は省けるようになった。グリッド表示は是非とも全機種に搭載されてほしい機能だ。
なお、測光方式も一新され、色情報まで加味した63分割デュアルレイヤー測光センサーが採用されている。色情報とAFセンサーからの位置情報を考慮し、被写体領域を検出することで安定した露出を得ることができる。元々キヤノンの露出検出能力は高く、そうそうずれることは無かったが、より安定性が増したと感じる。実際「こうなるといいなあ」と思うとおりに写ることがほとんどで、よほど特殊な条件や状態に撮りたいと考えない限り、露出計任せでいけるだろう。
動画機能も性能アップ

動画もβ機なのでお見せできないが、ISO感度をオートにして撮影中に絞りを変更してみると明るさが追従する
フルHD動画の撮影が可能でマニュアルでの露出制御もでき、カメラ内部で簡単なカット編集までもこなせるようになった。フルHD(1920x1080ドット)、HD(1280x720ドット)、SD(640x480ドット)での記録が可能。フレームレートはフルHDで30/25/24fps、HDで60/50fps、SDで60/50fpsがそれぞれ選択できる。
本体に内蔵されるマイクはモノラルだが、外部ステレオマイク用の端子を備える。露出制御もマニュアルでの設定が可能なため、絞りを変えて背景のぼけ具合を調節したり、シャッター速度を変えて動きのある被写体の効果を変えることができる。
なお、絞り優先やシャッター優先の機能は使えないので、マニュアル時に絞りやシャッター速度を変えた場合は、その都度対応しないと露出が変わってしまう。ISO感度をオートにしておけば感度設定幅内で明るさが追従するが、高感度時のノイズには注意が必要だ。

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