ダビング回数を保持したままUSB HDDへムーブ
ここで、USB HDDへのダビングで何ができるかを検証してみた。画質モードを変換しない「高速ダビング」速度は1時間番組でおよそ10分。画質モードを変換するダビングは、ほぼ実時間となる。ダビング後はUSB HDDに「コピー不可」となった番組が加わる。元の内蔵HDDの番組はダビング回数が1回減る。この挙動はUSB HDDかDVDかの違いを別にすれば、通常の「ダビング10」と同じだ。
次に、USB HDD内の「コピー不可」の番組を書き戻してみる。DVDはもちろんBDなどの光ディスクメディアではできないことだ。ダビング時に「コピー」ではなく「移動(ムーブ)」を選べば、これも自由に行なえる。書き戻すと、USB HDD内の番組はなくなり、内蔵HDD側には、ダビング回数が残り8回(+ムーブ1回)となった元の番組と、「コピー不可」の番組の2つに分かれて表示された。大きな違いはないが元の番組のダビング回数が増えるわけではなかった。この内蔵HDDとUSB HDD間の移動は「コピー不可」設定に関係なく、何度でも行なえる。
さらに、複数回ダビングできる元の番組を、回数を保持したままUSB HDDに移動することもできる。移動後にUSB HDDの番組を確認すると、残り8回(+ムーブ1回)のダビング回数がきちんと保持されていた。これはつまり、内蔵HDDの内容をなんら損なうことがなく、そのままバックアップが可能なことを意味する。
例えば、内蔵HDDがいっぱいになり、そのままでは録画ができないが、番組をひとつも消去したくない場合、USB HDDにコピーではなく引っ越し(移動)ができるわけだ。ダビング回数を1回消費してコピーするのと違って、複数回のダビング回数が残ったオリジナル番組を消去しないで済む。内蔵HDDと同じ2TBのUSB HDDを増設して、HDDの内容を定期的に移動→書き戻しを行なえば、HDDの断片化解消にも有効だろう(時間はかなりかかるだろうが)。
USB HDDは、登録したヴァルディアでしか使えないので、将来、ヴァルディアを次のモデルに買い換えた場合、USB HDD内の番組は消去するしかなくなる。しかし、以下の移動ワザを使えば、番組を別のヴァルディアにも引っ越しできる。
- USB HDD内の番組を移動で書き戻す
- RD-X9内の戻ってきた番組を次のヴァルディアへネットワークダビングで移動する
- ダビング回数が残っている番組はその情報も保持したまま、引っ越し完了
妄想はさらに広がる。もしも、次世代のヴァルディアがBDを搭載し、なおかつUSB HDDの増設を含むRD-X9の全機能を継承していれば、現在録画した番組をいずれはBDに保存することも不可能ではない(まあ、現時点でもパナソニックのi.LINK端子付きBDレコーダーがあれば、i.LINKダビングでBD化できるわけだが……)。
これは、光ディスクメディアではできない、外付けHDDならではの機能だろう。