XDEのパラメーター改善! 画・音質機能もさらに充実
ただのHDD容量の増設にとどまらない、実にヴァルディアらしいUSB HDD対応だけでも、買い換えたくなる気持ちを抑えられないが、RD-X9は自慢の高画質・高音質機能もさらに充実している。
まずはDVD再生をはじめ、デジタル放送の映像も、より高精細な映像にする「XDE」の改善だ。従来は確かに精細感は高まるものの、そのぶん、輪郭部のノイズも強調されて見づらい映像になるといった評価も多かった。
そこで、各パラメータを見直し、過度な強調を抑えながら精細化できるようになった。これに合わせて、ノイズリダクション効果やエンハンス効果も最適化している。さらに、ディープカラーによるビット拡張を行なう際にはスムージング処理も加え、より階調の滑らかな表現も可能にしている。
実際にデジタル放送で「XDE」の画質を確認してみると、輪郭や文字がシャキッとする印象。白文字のテロップはより明るさが増した印象で、コントラスト感も向上しているようだ。肝心のノイズ感の強調などはぐっと抑えられており、かなり自然な印象になっている。ただし、アニメ番組を見ると輪郭周辺に散見されるモスキートノイズがやや目立つようにも感じられた。これはノイズが強調されているわけではなく、輪郭などがすっきりとしたため、元々放送に乗っていたノイズが目立ってしまったようだ。ノイズが目に付くという意味では同じかもしれないが、従来のXDEのようなザラザラとしたノイズの目立ち方ではないので、個人的には許容範囲だ。
トータルで言えば、エンハンス回路にありがちな強調感はかなり抑制され、クセのない自然な精細さが再現できるようになった。そのぶん、従来のようにひと目でわかる変化は少ない。もともと精細感の高いデジタル放送では、画面を静止してじっくりと確認しないと違いがわかりにくい。
逆にアップコンバート再生でどうしても甘く感じがちなDVDでの効果は大きい。髪の毛の1本1本が鮮明になるなど、クローズアップされた人物の細かいディテールが蘇る。一方、遠景のつぶれ気味の景色などはほとんどそのまま。そのため、くっきりとした人物が浮かび上がるような立体感のある映像になる。個人的にはデジタル放送でも常時オンで使えると思うが、気になる人はDVDだけオンで使うようにするといいだろう。