国内でも急速に広がるTwitter
今年、日本のウェブで最大の話題はTwitterだろう。ユーザー数も急増し、今年は国内で昨年の3倍の100万人に達すると推定されている。私も半年ぐらい前にアカウントは作ったのだが、あまり使い道がないので、ほとんど休眠状態だった。今度の選挙の開票のとき、ライブドアでネットラジオ中継をすることになったので、そのために使ってみた。
その印象は、ひとことでいうと「最速のメディア」だということだ。ブログが日単位だとすると、SNSは時間単位で記事が出てくるが、Twitterは分単位で更新される。
大部分は「昼飯に○○食った」みたいなたわいもないメッセージだが、中には重要なニュースもある。情報がどこよりも早いのが強みだ。たとえば選挙中継をやりながら、聴取者に「質問は?」と呼びかけるとTwitterで質問が出てくる。それにラジオで答えると、すぐ反応がTwitterで返ってくる。スピードが速すぎて、追いつけないぐらいだ。
機能的には短文(140字以内)のブログだが、使ってみた感じはFacebookに近い。SNSの場合は、友人になるかどうかを個別に承認するので、せいぜい数十人程度との閉じたコミュニティだが、Twitterの場合は不特定多数が書き込み、勝手にフォローする。フォローというのは、特定の人のメッセージが自分のTwitterのホームページに出てくるように設定するものだ。承諾なしに一方的にフォローできるので、SNSよりはるかに大きなネットワークができ、私の場合は先週の初めには数人だったフォロワーが、ここ1週間で2700人を超えた。
不特定多数が短いメッセージを送るので、2ちゃんねるみたいな感じになるかと思えば、意外に紳士的だ。1週間ほど見た感じでは、mixiのように閉じたSNSに比べれば悪口は多いが「はてなブックマーク」ほどではない。
その原因はハンドルネームが固定され、その半分が実名になっていることだろう。特に個人のホームページを見ると、その人の過去のメッセージが一覧でき、スパムなどを出すアカウントはブロックできる。つまらないコメントを書くとフォローを切られたりブロックされたりするので、アカウントの評判を守るインセンティブが働くものと思われる。
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