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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第16回

110nmで苦戦も、90nmのX1800で盛り返したRADEON

2009年08月31日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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R500世代のATI GPUロードマップ

R500世代のATI GPUロードマップ

 さて、こうしてR420をベースにした製品“しかなかった”と言っていいR400世代に続き、2005年には「R500」世代に移行する。まず最初に登場したのは「R520」コアを搭載した「RADEON X1800 XL」である。この世代のパイプライン構造は、R400世代と大差なく、大きな違いはTSMCの90nmプロセスを使うことによる高速動作と低消費電力化、Shader Model 3.0への対応にあった。DirectXも当時最新の9.0c対応となったのが大きなポイントだ。

RADEON X1800 XL搭載カードの例

 ただ、このR520は新プロセスや新Shaderへの移行を主体としたもので、性能改善は翌2006年1月にリリースされた「R580」で実現された。R580はピクセルパイプラインを3倍の48本まで増やしており、これで大幅に性能が向上した。最初にこれを搭載したのが「RADEON X1900 XT/XTX」である。

RADEON X1900 XT

 さらにR580の高クロック版が「RADEON X1950 XT」として2006年11月にリリースされた。さらに上位モデルとして、ATIとしては初めてGDDR4メモリーに対応した「R580+」コアを、やはり同じ2006年11月に「RADEON X1950 XTX」としてリリースしている。

RADEON X1950 XTX搭載カードの例

 このR520/R580コアのパイプラインを一部無効化したバージョンも併売された。2006年3月には、R520ベースの「RADEON X1800 GTO」が、2006年5月には「RADEON X1800 XT」がリリースされる。面白いのは、X1800 GTOはその後“Rev.2”としてパイプライン構成がX1800 XLとまったく同じ製品も発売されたりした。またR580ベースでは、「RADEON X1900 GT」が2006年5月にリリースされる。

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